嵐のような日々

 前回の記事からあっという間に4カ月……。生きてます、私(笑)。

 もうね、どうにもこうにも毎日がバッタバタで、ホントに早い。くも膜下出血で倒れた母は武蔵野赤十字病院で2カ月、リハビリテーション病院で5カ月を過ごし、今月中旬に老人保健施設(通称・老健。介護保険を利用した、自宅復帰のためのリハビリ施設)に移った。

 なにせ片麻痺、記憶障害、見当識障害(現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど基本的な状況把握ができない)、要介護度4という状態。介助量が多いため、すんなり受け入れてくれる施設も少なく、それはそれは大変な施設探しであった。

 とはいえ、どこでもいいから!というワケにもいかないので、仕事で鍛えた取材力をフル活用。近隣4市の老健9施設をすべてまわり、話を聞き、探りを入れ、資料を集め、ようやく納得できる老健への入所にこじつけた。

 それと同時進行で自分と家族の確定申告、保険会社への給付金請求、役所関連の手続き、福祉タクシーの利用契約、見舞客の対応、母への面会が荒波のように押しよせ、ヒーヒーいいながら過ごす毎日。もう、クッタクタだよ。

 それでもがんばれるのは母の回復力。「良くて植物状態」と断言されながらも、リハビリをがんばったおかげで左手の麻痺はずいぶんと回復し、茶碗を持って食事できるまでになった。また、ピックアップ歩行器を使い、院内を歩くこともできるように。支離滅裂な話も多いが、冗談をいったり、顔見知りのスタッフをからかうほど元気になっている。ホントにドクター、看護士さん、介護士さん、療法士さんたちには感謝、感謝の気持ちでいっぱいだ。

 忙しいといっても仕事をしていなくては食べていけないので、Wワークは継続中。先日、依頼のあった本業の案件は受けるべきか(受けていいべきか)悩ましい内容だったが、結局引き受けることに。

担当「男性向けのメールを書いてほしいんですが」
私 「それって出会い系とかじゃないよね(笑)」
担当「違いますよ。大手健康関連企業のメールサービス!」
私 「女性からの男性へのメールって設定?」
担当「そうです。ヤル気を引き出すわけです」
私 「どんな女性からのメールにすんの?」
担当「20代のさやわか系」
私 「あのさ、私44歳なんだけど」
担当「そんなの知ってますよ!別にライターの写真出すわけじゃないし」
私 「方向性を間違えると熟女倶楽部のメールに……」
担当「なりません!(キッパリ)」

 熟女倶楽部にならないよう、がんばります。

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おかげさまで

 グレード5のくも膜下出血で倒れた母は、2カ月以上も意識混濁の状態で武蔵野赤十字病院へ入院し、新年早々に回復期リハビリテーション病院へ転院。意識障害や片麻痺、嚥下(飲み込み)障害、半側空間無視(左側にあるものを認識できない)といった後遺症のほか、2カ月以上の寝たきり状態での筋力低下があるものの、少しずつリハビリの効果が見えてきた……といったところだ。ご心配いただき、ありがとうございました。

 気管送管をずっとしていたので、声がほとんど出ず、意識障害もひどい状態だったが、リハビリ病院へ移ってからは、だいぶコミュニュケーションが取れるようになってきた。意識障害も少しずつ改善しているようだ。最近では会話のうち、8割はつじつまの合う内容だが、残りの2割が突飛すぎる。スゲー、突飛。

ある日は……
母「●●(夫の名前)はどこに野宿しているの?」
夫(お母さん、ボク、野宿はしていませんよ〜。寒いからね)

またある日は……
母「コンサートは? ほら、照明の」
私「照明?」
母「そう、ライティングの照明!」
私「( ゚д゚)ポカーン」

またある日は……
母「●●●●(弟の元カノの名前)じゃ、やっぱりダメだねえ」
私「(そ、その名前は禁句でしょ!しかも意味不明だし!)」

 あまりにも突飛なので、しばしポカーンとした後に大笑い。死ぬか生きるか、悲壮感に包まれていたあの頃から比べると、まったくもって楽しすぎる。

 さて、話題は変わるが、2007年に行われたアダルトトレジャーエキスポ(ATE)で、イベント企画会社からの依頼で撮影を引き受けたものの、イベント開催直後にオーナー&社長が夜逃げして、撮影料を取りっぱぐれたことがあった。

参考記事/転んでも……

 ついさっき、このイベント企画会社のオーナー&社長が昨年9月に逮捕されたという記事を見つけた。夜逃げ直後、渋谷警察で告訴状が受理されたという話は聞いていたが、札幌にトンヅラした挙げ句に捕まっていたらしい。ちなみに社長の杉下英樹は、時代劇フィギュアで有名だったアルフレックスの造型師、役員の間庭登志子は杉下の恋人で、トレジャーワークスを設立する際に金を出したという話を聞いている。

トレジャーワークス元社長逮捕

「トレジャーワークス」元社長逮捕

  渋谷署は、イベント会社「㈱トレジャーワークス」(本店 渋谷区東1-22-11)の元社長、杉下英樹容疑者を詐欺容疑で逮捕した。

  同署によると、平成19年8月下旬ごろ、取引先企業の男性部長に「イベント開催で3億円程度の入金が確実。入金があり次第返済するので1億円を貸して欲しい」と虚偽の説明をして同9月上旬ごろ、同社から約1億円を詐取したという。

  経理部長には、イベント開催の売上額を数十倍に水増しした虚偽の売上報告書を見せて信用させていたという。

  杉下容疑者は容疑を否認しているという。

  同社は、平成17年3月設立、資本金1,000万円。

アダルトイベント開催費名目で1億円詐取容疑 男女逮捕

2010.9.28 12:48

 アダルト向けイベントの開催費名目に約1億円をだまし取ったとして、警視庁渋谷署は詐欺の疑いで、札幌市豊平区西岡、元イベント企画会社役員、間庭登志子(47)と、同居する同、杉下英樹(48)の両容疑者を逮捕した。同署によると、間庭容疑者は容疑を認め、杉下容疑者は犯意を否認している。

 同署の調べによると、間庭容疑者らは渋谷区内の取引先企業に「予想以上にイベントの開催費用がかかったので1億円貸してほしい。3億円の入金が確実になったので必ず返せる」などとうそをつき、平成19年9月上旬ごろ、約1億円を振り込ませて詐取した疑いが持たれている。 

 このイベントは19年7月に千葉県の幕張メッセで開かれた「アダルトトレジャーエキスポ2007」で、場内ではアダルトグッズの展示や販売などが行われた。2人は取引先に売上金額を数十倍にした虚偽の売り上げ報告書を提示し、信頼させていたという。

 同署は19年10月26日に取引先から告訴状を受理し、捜査していた。

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冬の怪談

 くも膜下出血で倒れた母は、10日以上たっても意識がはっきりせず、ときおり呼びかけにうなづいたり、手をにぎる程度の反応。脳へのダメージはしばらく経ってみないとわからないし、今はどうすることもできない。

 病院へ行き、ベッドのかたわらで胃が痛むような時間を過ごす私に、しのびよる影が……。

「あの……、申し訳ありません。10月の請求書なんですが……」

 手に紙を持った、看護師長さん。何だかとっても言いづらそうに話を始めた。

「3日分の請求です。自己負担額が……こちらなんですが」

 総医療費が約430万、自己負担3割で130万円超!

 不謹慎な話だが、SCU(脳卒中の集中治療室)で脳梗塞を起こしそうなほどビックリした。だって、3日分だもの!

 命の値段というわけじゃないが、3日間で手術を3回やると430万もかかるんだあ。すげえな……と、請求書に見とれてしまった。請求書から目が離せなくなったのは、生まれて初めての経験だ。

 たとえ自己負担額130万円を支払っても、限度額以上は高額療養費の払い戻しができることは知っているし、父の蓄えで支払えないわけではないが、還付されるのは4ヵ月後。それまでは毎月ごとの請求を支払い続ける必要がある。

 すぐさま市役所にすっ飛んでいき、あれこれと事情を話し、限度額適用認定証の交付申請を行ない、病院の会計で手続きをおこない、請求金額の再計算をしてもらった。

 これは平成19年にできた制度で、あらかじめ自己負担限度額の認定を受けておけば、それ以上の支払いをせずに済むというもの。入院が長引きそうなときや、今回のように緊急手術を行なったときなどは、請求金額がものすごいことになる場合があるので、早めに手続きしておくといい。絶対にいい。確実にオススメする。

 母が倒れて血の気が引き、請求書で背筋が凍る……。まだまだ、気が抜けませんよ。

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くも膜下出血

 ビーチク祭りの後に、深刻な話も何なのだが、10月末に私の母がくも膜下出血で倒れ、現在入院中。外出先で倒れ、救急車の車内から救急隊員の方が私に電話をかけてくれ(母が持っていた携帯の短縮ボタンでかけたらしい)、近所の病院まですっ飛んでいったのだ。

 医師から「グレード5(最重症)のくも膜下出血です。まずは脳内血腫を取り除き、脳圧を下げる手術をしますが、良くても植物状態、悪ければそのまま生きて手術室から出られないことを覚悟してください」といわれ、祈るような気持ちで2日間を病院で過ごした。

 2日間で2度の脳内血腫除去手術と、右脳の一部切除、動脈瘤からの出血をふさぐためのコイル塞栓術(脳動脈瘤コイリング術)を行ない、計15時間の手術を無事に終えたものの、くも膜下出血はとてもやっかいで、手術が成功しても、発症後2週間以内に血管れん縮(脳血管が縮んでしまう)が起き、それによって脳梗塞になるケースがあること、また水頭症や肺炎などの合併症で亡くなるケースが多いなど、まったく予断を許さない状況だ。

 現在、母は集中治療室で人工呼吸器をつけて、朦朧としている。1日に数回、私たちや看護師さんの声に反応して、右手をにぎって返事をするが、ほとんどは声をかけても眠っているようだ。

 後になって、グレード5のくも膜下出血だと、「手の施しようがない」と手術すら受けられない場合も多いと知った。母はたまたま駅前の店で倒れて、すぐに救急車を呼んでもらえたこと、搬送先が「緊急搬送の依頼を断らない」をモットーにする、脳卒中専門センターのある病院だったこと、金曜の夕方だったため、すぐに当直担当以外の先生方も集まってくれたこと(どうやら帰宅途中に戻ってくれた先生もいたようだ)、わずかな望みをかけて手術を決断してもらえたことなどなど、たくさんの幸運があり、命を取り留めることができたと感じている。

 しばらくは昼間、本業のライター仕事を自宅でこなしながら(ここ3ヶ月ほど、大きなプロジェクトが立て続けに入り、ずっと締め切りに追われていた。パートをするほどヒマだったのに〜!)、見舞いに行く毎日が続く。病院のパートはスタッフのみんなが苦労してシフト調整をしてくれ、2週間ほど休ませてもらえることになった。長丁場を覚悟して、がんばります。

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ビーチク祭り

 すっかりご無沙汰しているうちに、生存確認のメールやら電話が増えつつあるので、ここらへんでちょっと復活しておこう。

 いやあ、今年の夏は暑かった。半袖の、たった数センチ布地すらうざったいほどの暑さ。だから、今年は例年になく、タンクトップばっかり着ていたのだ。

 先日、虎ノ門へ出かけたときのこと。その日、私はベージュ色のすかし編みタンクトップに、大きな茶色い輪っか&革ひものペンダントをしていた。

100917

タンクトップ着用、ということは、下着に関して選択の余地はなく、ヒモなしのブラジャー(いわゆるストラップレス)をせざるを得ない。歩いているうちにずり落ちてきたり、ガッチリとワイヤーが入っていて苦しかったりと、あれはあれで面倒くさいシロモノなんである。

 所用を済ませ、虎ノ門駅のホームで地下鉄が来るのを待っていた私は、ようやく到着した電車のドアを見て愕然とした。それは、電車が止まり、ドアが開くまでの一瞬のことだった。

 ホームの蛍光灯に照らされ、ドアのガラスが映し出した私の姿……。

 すかし編みのタンクトップ、胸の真ん中に揺れる茶色い輪っかのペンダント。そして、茶色い輪っかの両サイドに、2つの輪が……。

 え? 胸に並ぶ3つの輪? スリーリング?
 ペンダントヘッドが、ドアのガラスで2重、3重に映っている?

 よくよくガラスに映りこんだ自分を観察してみたところ、なんとヒモなしブラがずり落ち、すかし編みのタンクトップから、うっすらと透けて見えるビーチクがっ!

 虎ノ門でビーチク祭り。夏の忘れられない思い出になった。

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