強風注意報

梅雨のせいで部屋中、洗濯物がぶらーんぶらん。

ゆうべはバスタオル3枚をどこに干すのか、

参院選の投票のごとく、悩みまくる。

……そうだ。

バスタオルだけでも、ベランダの軒下に干せばいいや。

そう思って、ベランダに出る。

隣家の軒下に干してあった、おじいちゃんの肌着。

竿にかけられた、おじいちゃんの肌着。

まるで大車輪のようにグルグルとまわっていた。

 

水の味

 月に1度、娘は思春期早発症治療のため、小児科へリュープリン注射を打ちに通っている。梅雨に入り、外は土砂降り。初老の、ちょっと無愛想な先生と娘との会話。

娘 「せんせ、昨日ね。浄水場に行ったんだよ」
先生「へえ。学校の授業で?」
娘 「そう」
先生「どんなところだった?」
娘 「水をきれいにしていたよ。微生物できれいにしたり、濾過したりするんだって」
先生「その水はどこから浄水場に来ているの?」
娘 「多摩川だったかな〜?」

先生「きれいになった水はどこに行くの?」
娘 「みんなの家や学校の水道に」
先生「ふうん、そうなんだ」
娘 「できたてのきれいな水、飲んできたんだ!」
先生「どんな味だった?」
娘 「甘かった!家の水と変わんないっていう子もいたけれど……」

先生「雨の味ってどんな味か知ってる?」
娘 「飲んだことない」
先生「飲んでみたら? 浄水場の水とは違うかもよ」
娘 「保育園のころ、口を開けて飲んでみようと思ったら、先生が汚いからダメって」
先生「降り始めはダメかもね(笑)」

 会話を聞いていた私、思わず割り込む。

私 「注射打ったら、帰りにやってみたら?」
娘 「ええ〜!」
先生「いいねいいね、今は土砂降りだし。ワハハ」
娘 「雨なんて飲んでも大丈夫?」
先生「……(ニヤニヤ)」
私 「お腹が痛くなったら、また先生のところに来ればいいよ」
娘 「そっか!」
先生「ワッハッハッ」

 小児科を出た娘はザーザーと降る土砂降りの中、傘をささずに歩き出す。もちろん、顔を天に向け、口を大きく開けて……。顔も髪も服もびっしょびしょ。

私 「どう? 味、わかった?」
娘 「こんなに降っているのに、口にはあんまり入らない!」

 歩きながら、ますます口を大きく開け、天を仰ぐ娘。道行く人が笑っている。せんせ、変なこといわないでくださいよ……。

ウットリさん

 厳しいこのご時世、働き盛りの人たちがリストラや派遣切りなどで、大変な状況だというのは見聞きしていたが、30代の弟も例外ではなく、昨年秋に検体回収の仕事をリストラされた。理由は会社の業績悪化だが、独身で実家住まいというプロフィールも、リストラ対象として都合がよかったのだろう。

 住む場所、食べるものは困らないにしても、当然のごとく弟はすぐに就活スタート。しかしながら、どこの会社も募集をかければ、応募が殺到し、面接はもとより、書類のエントリーすらできないような状況。年末が近づくにつれ、このまま無職で年を越すことになるのか……と弟だけでなく、母も父も私も絶望的な気持ちになっていた。

 ある日のことだ。「ダブルワークとして始めたけれど、うちの病院って時給はどうなんだろう」と疑問がわき、何となく新聞チラシのアルバイト情報を眺めていた私。たまたま掲載されていた障がい者福祉に関連する募集記事が目にとまった。

 ふーん、老人介護じゃないの?
 民間会社じゃなくて、公益法人なんだ。
 実績もあって、安定しているし。
 仕事は地味だけどやりがいがありそう。
 弟に意外と合うんじゃないの?

 勝ち気な姉とは違い、弟はとても優しくて、声を荒げたことは1度もない。温厚な性格でコツコツ型、でも競争力や欲はいまひとつ。営業マンに向いているタイプではないのに、営業職ばかり探している。そんなわけで、まったく福祉に興味のなかった弟を説得し、先方に問い合わせをさせてみた。結果……、すぐに面接→採用となり、無事に年を越すことができたのである。

 何よりも良かったのは、まったく志望していなかったにも関わらず、仕事を始めたとたん、楽しくて充実しているとのこと。資格取得など、一生の仕事として新たな目標を見つけたようだ。

 弟から採用されたという連絡をもらい、つい夫と娘に「ほらほら、やっぱり弟にぴったりの仕事だった! 私と違って優しいし、根気があるもの」とつぶやく私。

 それを聞き、娘がひとこと。

「そうだね。●●くん、ウットリさんだもんね!」

 ……?

 それをいうなら【ウットリさん】じゃなくて【おっとりさん】ですけど。
 
 

結婚詐欺ではありません

 今日は、 介護のお手伝いをしている80歳のおじいさまのお宅 診察のお手伝いをしているとある医療機関へうかがいました。途中、重篤な症状のおじいさまがいらっしゃり、その方のお世話に掛かり切りでした。血まみれになってしまうほど、大変だったのです。

 おとといはひと晩中、総合情報誌の記事広告を編集していました。だれでも知っている大手旅客鉄道会社の雑誌で、読者ターゲットは経営者層。今回の記事広告も、複数の有名企業トップの方々が対談をする、という贅沢な企画です。

 明日はとある会社の本社ビルで、対談の様子が撮影されます。もちろん、わたくしもご挨拶かたがた取材に参ります。いまからとても楽しみです。

 でも、ここのところ、疲れているせいか、お口の横にポツリと吹き出物が出てしまいました。口唇ヘルペスみたいです。やはり、寝不足は美容の大敵ですね。 叶姉妹御用達のスキンケア化粧品 ヘルペス専用のお薬でお手入れをしなくちゃ。みなさんもお風邪など、ひかないよう、気をつけてくださいね。ごきげんよう。

※コメントのお返事が間に合わなくてごめんなさい。

イケメンモミモミ

 数ヶ月前から左足の内くるぶしに痛みがあり、ずっと我慢をしていたのだが、ボッテリと腫れてきた上に痛みがひどくなる一方なので、近所の整形外科を受診した。

 診断結果は三角靭帯の炎症。左足を何度も捻挫をして靭帯がユルユルになっていたのと、それが原因でアーチが崩れ、扁平足になってしまっていたことなどが炎症を引き起こしたらしい。

 治療は痛み止めを飲んで、経皮鎮痛消炎薬を貼り、リハビリを受けるぐらいしかない。痛みがひどいときはステロイド注射をブスリ。まあ、気長に炎症が治まるのを待つしかないのだ。

 そんなわけで仕事の合間を見てリハビリに通っているのだが、イケメンの理学療法士がモミモミしてくるのがうれしい。さわやかな笑顔の彼が正面に座り、私の左足を抱えて「どうですか? 痛くありませんか?」などと聞くのだから、思わず「あなたの好きにして!」と叫びたくなる。ふいに私の左足が彼の股間に触れたときは「オプション代が加算された」と思ったが、大丈夫だった。

 今朝も一番乗りで診察&リハビリを受けてきた。痛みと腫れが引かず、強力なステロイド注射を打たれた私は、注射の痛みでヨロヨロとしながらリハビリ室へと向かった。

 温熱療法と低周波治療を受け、いよいよ待望のモミモミタイム! イケメン君、早く早く〜!

 ……なんと今日の担当はイケメン君ではなく、たくましさ溢れるマツコ・デラックスだった。ヘタをするとひねり殺されそうな感じ。失望感を顔に出さないようにしつつ、イスに座って足を投げ出す。

「どんなときに痛みますか?」

 マツコはふくよかな太ももに、私の左足を乗せ、丁寧にマッサージを始める。ふくらはぎからカカトまで、ときに強く、ときに優しくモミモミモミモミ……。最後は私の足の指に自分の指をからめて、引っ張り上げた。うひー! 効く〜! 気持ちいい!

 マツコのテクに骨抜きにされ、ヨロヨロと帰宅する私であった。終わり。

«白衣