« 風邪ひいた! | トップページ | 熱くて寒い夜 »

中華粥その後

 朝から横浜・中華街にあるお粥の店を取材した。朝10時前だというのに、ほぼ満席という盛況ぶり。ああ、これは期待が持てそうだ、などと思いつつ、さっそく撮影の準備をする。

 隣のテーブルでは地元の常連客らしいおじさんが、ハフハフいいながらお粥をすすっていて、何とも食欲をそそられる。おじさん、アンタおいしそうに食いすぎ。見てろ、私だって撮影が済んだらハフハフしてやっからな!

 そんなとき、店のマネージャーさんがこういい放った。「具が沈んじゃうから、ダミーでいいかしら?」 え? ダミー? ダ・ミ・ー? 雑誌の撮影ではよくあることなのだが、おいしそうな写真を撮るために「食えない」料理を使うことがある。油を塗ってツヤツヤさせたり、上に焦げ目をつけて中は生だったり、具を浮かせるために中に物を仕込むというものだ。

 今回はなんと「お店の入口に飾られているメニューサンプルに、お粥を少し流し込んで具を乗せる」という作戦だ。コチコチのサンプルにお粥注がれ、それはそれはおいしそうな一品のできあがり!

 ほどなく撮影が終了し、次の取材が迫っている私はそのまま店を出た。味見もせずに原稿をかくことは読者に対してホントに失礼だと思う。だが、それ以上にハフハフを果たせなかったダメージは大きかった。

|

« 風邪ひいた! | トップページ | 熱くて寒い夜 »

仕事ネタ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。