男からの贈り物
男からの贈り物は、いくつになってもうれしいものだ。今日は男友だちが「帰省していたから」と大根と文旦(ぶんたんと読む。黄色い柑橘類)と、手づくりのモチを持って来てくれた。なんだか、品物だけを見ると贈り物というより供え物だ。
彼はいつも帰省すると「おふくろがさ、お友だちにもあげなさいってたくさんよこすんだよ」といいながら、いろいろと持ってきてくれる。たいてい、畑で作った野菜とか手づくりコンニャクなど、田舎のお母さんらしいセレクトで、主婦ゴコロをくすぐられる品ばかりである。
若いころはしょっちゅう、男から贈り物をされていたのに、結婚したとたん、夫は誕生祝いすらよこさない。OLのころなんか、誕生日になると会社の受付にバラの花束が届いたり、センチュリーハイアットのケーキとシャンパンを用意してくれる男がいたものだ。なんという違いなのか。
ある年の誕生日はすごかった。男の友だちに囲まれて飲んだくれたのち、タクシーでご帰還。家の前までフラフラと歩いてくると、玄関の前に黒い影が……。なんだろうと思いつつ、近づいてみるとシクラメンの鉢植えと日本酒が置いてあった。なんだか、墓参りみたいな2点セットだ。そして、添えられたカードにはこうかかれていた。
「誕生日おめでとう。来たけれど留守だったので、しばらくクルマで待っていました。帰ったら電話ください」
なんて健気な男なのだろうか。
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