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お利口になる私

 知り合いの編集者からの緊急要請で、とあるリフォーム雑誌のお手伝いをすることになった。すぐさま南青山の事務所へ出向き、話を聞いてみる。なんとも恐ろしいスケジュールだったが、もらったページの内容があまりにも楽しそうだったので、ふたつ返事で引き受けることにした。担当するのは「収納」や「リフォーム」についての読み物ページ。私はこの「読み物ページ」の依頼にいたく弱いのである。

 ライターの仕事は記事の構成によってさまざまなパターンがあるが、大きく2つに分かれる。写真を中心にした「取材モノ」と、文字の多い「読み物」である。取材モノはいろいろな場所に行けるのが魅力だし、カメラマンとの共同作業というオモシロさもある。一方、読み物ページは資料を読み込んだり、プロの話を聞いてわかりやすく原稿にするなど、作業は地味そのもの。ひとつ間違えばひきこもりと大差ない生活が続くのである。

 しかし、私がそんな「地味で面倒クサイ」読み物ページを好きなのには理由がある。取材を重ねていくうちに「またひとつお利口になった私」を実感するからだ。たとえそれが「アタマが良くなるおまじない」といった、どうにも使えそうもないネタだったとしても……。

 いわば、知識のレベルアップ。もはや、読者のためというよりも自分の好奇心を満たすため仕事をしているといっても過言ではない。1カ月後の私は収納とリフォームの小ネタ(あくまでも大ネタではない)を増やした女になっているはずだ。

 ココロが踊る打ち合わせとなったので、紀伊ノ国屋で大好きなイギリスパンを買って帰った。普段は160円のヤマザキパンを買っている私が、浮かれ気分で半斤450円も払った。やっぱりうまかった。

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