ライターと編集者
作家の室井佑月さんがかいているblogを愛読している。フリーライターと作家では、出版業界のヒエラルキー的には天と地に近いものがあるが「子どもを育てながら、ものを書く」という、共通のライフワークがあって興味深い。今回のテーマは「編集者とのつきあい方」だった。
編集者が「作品を作るうえでのチームメイトみたいなもん」というのは常々、私も思っていること。個性が重視される作家と違い「読者層に合わせた記事」を求められるライターの場合、特に編集者の手腕が記事の出来映えに影響する。文体ひとつにしても、雑誌のコアターゲットに合わせなくちゃならないわけで、38歳の子持ちライターが、10代の読者向けに「お友だちに自慢してビックリさせちゃお★」とか、50代の奥さま向けに「セックスが減った分、スキンシップを大切にしましょう」なんて原稿をかかなくちゃいけない。そこらへんのさじ加減をチェックするのも編集者の役目である。
私が駆け出しだった10年前の編集者は、原稿がいいものになるまで徹夜で付き合ってくれていた。満足のいく原稿が出来るとほめてくれたし、対外的なミスがあっても「チェックしたのは私だから」とかばってもくれた。ところが最近はこんな熱血編集者はめっきり少ない。
「原稿、待っていますよ」というので、心身ともにヘロヘロになりながら書き上げ、朝方編集部に電話をすると「とっくに帰りました」といわれる。原稿を送っても、いいとも悪いとも返事が来ない。ひどいときはライター校正すらなく、気づくと書店に並んでいる……なんてことも。こんなことが続くと、その編集者からの仕事は手抜きをしたくなるのだが、手を抜いても気づかないから始末が悪い。
以前、レギュラーライターとして書いていた雑誌の編集長はひどかった。次号の原稿依頼の電話で「○○について書いてほしいんだけど」といってきた。思わず、私はこういった。
「その話、前号の特集で書いていますけど」
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コメント
考えさせられました。自由に書かせる、ということと責任を持たないということは違うんですよね。熱血なのはそれだけ責任を持ってくれるから。個人的に体験したケースがありまして、実は某blogでちょっといろいろと書いているのですが、関連させると実名が出てきてそちらにさしさわりがあるとやばいんでトラックバックを控えます。
投稿: たっちゃん | 2004.05.28 06:25
たっちゃんさん、はじめまして。コメントありがとうございます。もしかして、同業の方でしょうか? ぜひ、たっちゃんさんのblogも読みたいなぁ。最近は子育てをしながらの生活なので、取引先を減らしてマッタリと仕事をしています。そんな状態なので実名が出ても、私のほうは「差し障り」なんてないと思いますよ。どしてもダメそうでしたら、メールでこっそり……っていうのはダメ?
投稿: poron | 2004.05.29 02:13
こんにちは。
最近、話題のブログというものを今日、始めた同業者です。
こちらには、室井さんのページから飛んできました。
『ライターと編集者』
まさに、その通りっ!! 気持がすっきりしました。
私のブログは株トレード日記です。
好みが別れると思位すが、興味があったら来てくださいね。
投稿: ぷれこ | 2004.07.14 16:19