死んじゃったの?
今日は夫が仕事なので娘とふたり買い物へ。風が気持ちいいので、外でお茶を飲んだ。のんびりと景色を見ながら、友人が飼っていた犬の話をする。
「ねえねえ、ケンタロウはまだ病院なの?」
「ケンタロウ、死んじゃったの?」
「病気なの? 痛いの?」
矢継ぎ早に質問を投げかける娘。仲良くしていたケンタロウが、亡くなった日から繰り返されてきた質問だった。
4歳の子どもは「死」というものを、どれだけわかっているのだろうか。どう説明したらいいのだろう。聞かれるたびにそんなことをここ数日、ずっと考えていた。飼い主である友人は「遠くに行っちゃったんだよ」と説明していたが、娘は納得していない。だから、同じことを何度も聞いているのだ。
買い物から帰宅して、さっき友人がケンタロウを連れてきてくれた。娘とふたりで顔を見せてもらって、お別れをする。クルマを見送ってもなお、娘は同じ質問を繰り返していた。子どもだからといって、あいまいな答えをするのはもうやめよう。そう決めた私は娘と向き合い、こう話した。
「ケンタロウはね、死んじゃったの。痛くはなかったけれど、死んじゃったの。だから、もう一緒にお散歩はいけないんだ。さみしいね」
娘は「ふぅん、死んじゃったんだ……」とだけつぶやき、黙り込んだ。
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