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憧れているんじゃないのかよ

「たまには吉祥寺でごはんでも食べよう」と、家族で出かけたときのことだ。その日は朝から雨が降っていて、夜は特に冷え込んだ日だった。子連れでもイヤな顔をされない店で食事をし、のんびりと歩きながら駅まで戻る。

 駅前の横断歩道を渡り切ったところで、夫と手をつないでいた娘が立ち止まった。なにかと思い、娘の視線をたどると、そこには交番が。お世辞にも広いとはいえない交番のなかでは、5人のおまわりさんが電話をかけたり、書類をかいたりと忙しそうにしていた。4歳の娘にとって、おまわりさんは「正義のヒーロー」だ。悪い人を捕まえて、おまわりさんの家(留置所)につれていく。だから、カッコイイ!

(ああ、おまわりさんを見たいんだな)

 そんなことを考えたのもつかの間、娘は交番のなかにスタスタと入っていき、おまわりさん相手に敬礼を始めた。

(なにしてんだよ〜)

 あわてて連れ出そうとするが、娘は敬礼をしたまま微動だにしない。交番に流れる「戸惑いの空気」。と、そのとき、ひとりのおまわりさんが真顔で敬礼を返してくれた。

「パパとママと一緒なの? いいねえ」
「あのね、いつもいい子にしているよ」
「雨が降っているから気をつけて帰ってね」
「いまねえ、ごはん食べてきたの」

 全然、会話がかみあっていない。それでも、娘はうれしそうだった。興奮気味に交番を出てきた娘に「よかったね。大きくなったら、おまわりさんになるの?」と聞いてみたが「運転手さんになる」と答えていた。なんだよ、憧れているんじゃないのかよ。

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コメント

おまわりさんへの敬礼を教え込んだのは、母poronさんだったのでは? 娘さんは「母の教え」を実行したのです。感心感心……。で、更に素敵なのは「真顔で敬礼を返してくれたおまわりさん」ですね。あぁ、心温まる素敵な風景です。

投稿: さり | 2004.12.11 09:44

初めまして。いつも楽しく読ませてもらってます。
娘さん..素晴らしいです。
それを的確に捉えてる母の視線も..。
思わず、笑ってしまいました。

幼稚園の先生をしているので
こんな会話や行動が 飛び交ってる毎日ですが
当たり前すぎて、つっこみ忘れてるような気がします。

これからも、楽しみにしています。

投稿: けいこ。 | 2004.12.11 15:15

■さりさんへ

敬礼をしてくれたおまわりさんは初めてでした。
手を振ったりしてくれることは多いんですが。
いやぁ、真顔の敬礼はかっこよかったですよ。
他の4人のおまわりさんはみんな、
クスクスと笑っていました。

■けいこ。さんへ

はじめまして。コメントありがとうございます。
幼稚園の先生なんですね。大変でしょう。
子どもって思いもよらない行動をするので、
注意深く観察していると、すご〜く
おもしろいのですが、観察するには相当、
心の余裕が必要ですよね。
エネルギーがありすぎて、見ているだけで
疲れちゃうことのほうが多いです。

投稿: poron | 2004.12.12 05:42

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