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仕事をしたという証拠

DSCN2806 先日、出席を頼まれていたにもかかわらず、娘の発熱でドタキャンせざるを得なかった在宅就業ポータルサイト協議会のヒアリングへ行ってきた。改めて日程を確保してもらい、SOHOの取引や契約トラブルについて話をしてきたのである。

 ヒアリングを担当したのは協議会委員の湯山弁護士と、在宅就業ポータルサイトを運営する(財)社会経済生産性本部の事務局次長。ヒアリング対象者は私の他にもうひとり。偶然ながら私と同じ、女性ライターであった。

 ヒアリングはリラックスした雰囲気で行なわれた。同席したライターさんはクライアントの破産を経験し、裁判所に提出する債権届出書を作るのに苦労したという。債権届出書は配当を受け取るために(破産管財人は破産者の資産を現金にして債権者に配当する)必要な書類だが、債権の存在を証明しないとならない。発注書もなければ、納品書もなかった彼女は、取材先に提出した企画書や請求書を添付して裁判所へ送ったそうだ。

 出版業界では書籍の著書以外、契約書を交わさないのが通例だ。納期(締め切り)がズレたり、企画自体が二転三転するので、書きようがないのである。湯山弁護士は「電話でのやりとりだけでなく、メールなり書面なりで仕事をしていたことの証拠を残しておくこと」と話していた。現在では編集者とはメールでやりとりをすることが多いが、以前は「電話で依頼、直接会っての打ち合わせ、原稿はFAXまたはフロッピー」という時代もあった。こうなると依頼された証拠も、仕事を進めていた証拠も、納品した証拠もない。いま考えると、なんて無防備だったんだろうと思う。

 この不景気の時代、新しい取引先の仕事を受けるときは念には念を入れる必要がありそうだ。仕事が終わると「あ〜あ、こんなに大変だった仕事のことは早く忘れたい!」と、もらったメールや書類をごっそり捨ててしまう私はかなりアブナイ、と思う。

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コメント

ホント、この業界は前近代的ですよね。
契約はいいかげん、雑誌の公称部数もずいぶんな水増しで、締切もサバ読むし(それをまた読むし)、それでよく本や雑誌が出ていると思うし、ですよ。

お身体、復調しましたらドカンと忘年会などいかがでしょう?

投稿: 市内のU | 2004.12.22 02:32

■市内のUさん

本当にそうですよね。
業界のシステムがいいかげんさで
成り立っている部分があるので、
まじめにやろうと思っても、
それがままならないこともあります。
雑誌の公称部数なんて、ひどいところだと
実売の2倍ですもん。笑っちゃいますよ。

忘年会いいですね。新年会でもOKです。

投稿: poron | 2004.12.22 14:27

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