ラブホテルは恋人と行くに限る
ずいぶんと昔の話なのだが、ぴあ(Weekly)のセックス特集でラブホテルの取材をしたことがある。ラブホテルの取材はたいていお客が少ない真っ昼間に行なわれるのだが、入るのには相当の勇気がいる。
飲食店やショップの撮影ではカメラマンと店で待ち合わせをすることが多い。しかしながら、ラブホテルの入り口で待ち合わせるわけもいかず、必然的に「ラブホテル近くの繁華街」に集合することになる。初めて組むカメラマンだと顔もわからず、カメラバッグを探したり、事前に聞いた服装や特徴で声をかけるしかない。
「あのう、○○さんでしょうか?」
渋谷の道玄坂でオトコとオンナがこんな感じで待ち合わせ。どう見たってテレクラ。太陽の光がさんさんと降り注ぐなか、口数の少ないまま道玄坂〜円山町方面へ歩いていくふたり。目的のラブホテルを見つけると「ここですね」とだけ言葉を交わし、入っていく。ああ、妖しいったらありゃしない。
受付で取材で来たことを告げ、部屋のキーをもらう。エレベーターでスッキリ顔のカップルと鉢合わせをし、思わずうつむく。やましいことなど何もないはずなのに、目を伏せてしまう条件反射の不思議。
部屋に入ると、そこは私とカメラマンだけの空間だ。「じゃ、内観(撮影)からいきます。部屋の電気、暗くしないと」というカメラマンの声に反応し、ベッドの照明ボタンを何のためらいもなく操作。うっかりもいいところ、である。「次にバスルームの撮影やりますから、準備お願いします」といわれ、ごていねいに泡風呂を仕込む。
「詳しいんですね」とドン引きカメラマン。「おかげさまで」というしかない。世の中、どんな知恵が役立つかわからないもんだ。
1995年の誌面。ラブホのキャッチが「愛の水中花…」「週末は人魚になって」「都会の真ん中でリゾラバ」。いくらなんでも、ひどすぎると思う。
こっちは同じ特集で取材したホストクラブ。真ん中でイイ気になっているのが、28歳の私。撮影の集合が「深夜1時、クラブニュー愛店内」だったのが、つらかった。いろいろとマズいかもしれないので解像度低くしてあります。
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コメント
「(チェックアウトするのに)コレから帰ります、って電話していた」時代を思い出します。
1995年なら…もう未成年じゃないし(爆)
poronさんの姿、目を凝らしてみてしまいました!
投稿: みつまめ | 2005.02.17 04:40
■みつまめさん
あれれ? 今は電話しないんですか!
昔は部屋にエアシューターがあって、
筒にお金を入れてボタンを押すと、
パイプを通って受付にすっ飛ぶ……というのが
あったんですが、ご存知ですか?
おつりも筒で届くんですが、
ドンッと音がして色気もへったくれもなし。
投稿: poron | 2005.02.18 00:07