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2005年3月の記事

我こそがお姉ちゃん

 以前、ここで書いた、アッコちゃんが泊まりにきている。彼女のおとうさんは「ケツの話あれこれ」のおじである。育ての母が亡くなってから、施設で暮らしていたアッコが春休みで帰京。おじは彼女のために一時退院させてもらったものの、検査だなんだで病院通い。そこで「よかったら、うちに泊まりなよ」ということになったのだ。

 彼女はとても照れ屋で、話しかけてもうつむいたまま、蚊の泣くような声で返事をする。ギャーギャーとうるさい娘と一緒だとアッコが気疲れちゃうかなと心配したが、大丈夫そう。

 昨夜はみんなで銭湯へ行った。精神年齢が小学生程度のアッコに対し、娘はあれこれ世話を焼きたがる。しかし、アッコはすでに30すぎ。彼女にとっても娘は「世話をしてあげたい存在」であり、女ふたりで「我こそがお姉ちゃん」と張り合っているのだからおもしろい。3人で露天風呂に入り、のんびりしているとさっそくおせっかいが始まる。

娘  「アッコちゃん、床がすべるから気をつけてね」
アッコ「……」
娘  「熱くない? こっちのお風呂に一緒に入る?」
アッコ「……」
娘  「さ、あがって身体を洗いましょ」
アッコ「……手、つなぐ?」
娘  「?」
アッコ「すべるから危ないよ。手、つないであげる」
娘  「そうね。危ないもの。手、つないであげる」

 どっちが世話焼きなんだか、わかんねえ! 人の世話を焼く前に自分でちゃんとケツが洗えるようになれ!

 湯けむりのなか、手をつないで転ばないようにソロリソロリと歩くふたりを見ながら、なんだか微笑ましく思ってしまった。

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食らう女

 スーパーで「タラバガニ1匹まるごと」が安かったので、迷った挙げ句に購入。せっかくなので軍手装備で解体ショーをしてみた。なぜ、タラバまるごとなのか。それは娘の好物だからだ。4歳の娘はナマイキにも甲殻類フェチである。生まれて初めて、おがくずのなかでモゾモゾと動くタラバを見たとき、きっと「食べるのかわいそう」と泣くはず、と予測していた。なのに娘は、これから刺身となっていくタラバを「おいしそう。早く食べたい」と言い放ったのである。もちろん、エビも大好きでエビ料理は多めに作っておかないと、夫婦ともども食いっぱぐれる恐れがある。

 そんな女だ。金がかかってしようがねえ。

 今回購入したタラバはボイルしたものだったので、さっさと解体する。娘はまず脚を手に取り、ズルズルと身を引きずり出して食べ、しあわせそうなツラをしていた。夫も私も手を出すことがためらわれるほどの勢いで、脚を制覇していく。そして、最後にはいちばん身を取り出しずらい甲羅部分にまで手を伸ばした。

「これはさ、食べづらいところだからパパにあげなよ」
「え〜、ここ、食べたいのに〜」
「い、いや……。オレはいいよ」

 娘の迫力に圧倒され、悲し気な様子でメンチカツをつつく夫。結局、私と夫はツメの身をしゃぶる程度で終わってしまった。

「そういえば、お前と付き合っていたころ、よく日本料理屋で飲んだよな」
なぜか、私との過去を回顧する夫。それがなんだ。

「お前もエビカニが好きでさ、よく頼んでいた……」
そういや、そうだ。タラバの炭火焼きとか、伊勢海老の刺身とか。

「そのうえ、浴びるほど日本酒を飲むし」
だって、おいしいんだもん。文句あっか。

「金、かかって仕方がなかったよ」
そういう女と結婚したんだろ。

「こいつ(娘)もきっと彼氏に苦労させるんだろうなぁ」
苦労って……。

「納豆とモヤシが好物の女と結婚すりゃよかったよ!」

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エロタクシーに御用心

 横浜でタクシーを拾い「親が危篤なので秋田まで」と無チン乗車をした男が逮捕。このニュースを聞いて「ちゃんと金を持っているか確認しろよ、運ちゃん!」とツッコミを入れた人も多いだろう。

 新宿でOLをしていたころは、バブル最盛期だったので、酒を飲むとタクシーで帰るのがパターンだった。たまに「お金がもったいない」と終電で帰るも、熟睡をした挙げ句、終着駅へ流れつき、結局、タクシーで帰るという、ムダな生き方をしていた。

 酔っぱらってタクシーに乗ると、退屈しのぎに運転手が話しかけてくる。「真夜中に素っ裸の女が泣きながら手を上げていて、びっくりしたことがあったんだよ」という、すごい話を聞くこともあったが、たいていは酒か仕事の話。しかし、あるとき乗車したタクシーの運転手はちょっと風変わりな質問をしてきた。

「ずいぶんと遅くまで飲んでいたんだねえ」
「彼氏とかに怒られないの?」
「どのくらい付き合っているの?」

 彼氏の話なんてどーでもいいんだよ。寝かせてくれ。そう思いながらも、半分ねぼけた状態で答えていたのだが、質問がどんどんエスカレートしてくる。

「彼氏とは週にどのぐらいするの?」
「どんな感じでスルのが好き?」

 いいかげん嫌になった私は、質問に答えずに「おじさん、近くなったら起こして」と頼み、後部座席でうたた寝をすることにした。20〜30分ほどしただろうか。私はクルマが何かに乗り上げる衝撃を感じて、目を覚ました。なぜか、クルマが止まっている。窓の外を見ると、ワカメのように垂れ下がる黒いカーテンが! 運転手は黙ってクルマのエンジンを切り、ミラーごしに私の反応をうかがっていた。

(ヤバい……)

 タクシーが停車していたのは、ラブホテルの駐車場だった。一気に酔いも覚め、うろたえる私。しかし、ヘタに騒ぐと何をされるかわかったもんじゃない。どうやって逃げようか……。必死で考えた挙げ句、私はねぼけたフリをしながら「運転手さーん、道、間違っているよ」といった。すると運転手はあわててエンジンをかけ「いやぁ、ゴメンゴメン。間違っちゃったよ」といいながら、ホテルからクルマを出した。危機一髪。

 よほど、やりたかったのか。それともよほど、やらせてくれそうだったのか。家を知られないように、離れた場所で降り、そのままタクシー近代化センターに苦情の電話をかけたのは言う間でもない。

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ヤルのがいちばん

 テープ起こし地獄である。これをやらなきゃ、仕事が始まらないのだが、1度現場で聞いた話を聞き直すのってつらい。「もう、知ってるよ」「聞いたよ、それ」みたいな。

 徹夜を数日間、続けた挙げ句、ようやくテープ起こしが終了。ガチャコンと停止ボタンを押そうとしたところ(ICレコーダーではなく、いまだテレコなので)、なにやら聞き慣れない声が聞こえてきた。私と男の会話。以前、録音したインタビューと思われる。

男「実は遅すぎるのも問題です」
男「でも、早ければいいというものでもない」
(セックス!?)

男「最初の1週間に徹底的にヤルのがいちばん」
(新婚さんの場合だろ)

男「1年間、放置していると後が大変」」
(セックスレスかよ!)

男「思ったときにヤレば取りかえしがつく」
(ま、まあな。取りかえしはつく)

男「放置していても可能性はゼロではない」
(フォローが大事だ)

男「ワンちゃんのおしっこのしつけは……」
(犬のおしっこかよ!)


 ああ、疲れているよ、私……。確実に疲れている。

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仁義なきキンタマ

 財務省に勤めている福山似のイケメン公務員がウイルスに感染し、PCに保存していたハメ撮り画像が大量に流出(くわしくはまとめサイトのここで。最初にリンクした先が消えていたので別サイトにリンクしなおし。※追加情報。いよいよZAKZAKでニュースになっていました)。週明けから2ちゃんねるで祭りになっていて、静かにウォッチしていたのだが、こんな記事が出てきて朝っぱらから大笑い。

Winnyでウイルス発生、個人情報流出の可能性も〜セキュリティベンダーも混乱

トレンドマイクロ、「仁義なきキンタマ」「欄検眼段」の検知・駆除に対応

 いい! いいぞ! 最高のネーミングだ。

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ドッペルゲンガー

 118円の安売りタマゴを買うために、徹夜明けのまま朝からスーパーへ。大混雑のレジでうんざりしながら並ぶ私の視線に、あるものが飛び込んできた。


(あ、あれは! あたし!)


 レジの列から、約5メートル先。私じゃない、私が立っているではないか! 彼女は夫と思われるハゲたおっさんとふたり、買った商品をカゴからビニール袋に詰めている最中だった。ドキドキドキドキ……。

(目が合ったらどうしよう、むこうもビックリするだろうな。声かけちゃおうか。でも、どうやって?)

 商品を詰め終わって帰るまでの約3分間、レジの列から凝視していたが、おそろしいほどにそっくりなのである。着ているものは違えど、髪型といい、顔といい、身体つきやメガネの形まで、まさに「うりふたつ」。鏡で見る自分、というより「写真で見る自分」がそこに立っているのだ。母や夫がこの場にいたら、きっと間違えて声をかけるはずだ。

 よく知り合いから「いやぁ、昨日poronさんにそっくりな人を見かけたよ」とか「先日、仕事で会った人がporonさんにそっくりでねえ」などといわれることがあるが、自分で自分のそっくりさんを見つけたのは初めてだ。雰囲気が似ているのではなく、激似。ドッペルゲンガーっていうのか、これ。こわい。こわすぎる。

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ケツの話あれこれ

「ケツに火がつく」とは、まさに今の私を表現するにピッタリなことばだ。28日までに8本のコラム作成(各1,000〜1,500文字)、29日までに企業サイトで使う社員プロフィール12人分作成(各1,000文字)、4月5日までに小金井市の審議会資料作成(190項目×8項目の表)とアンケート分析(A4版50ページ)、4月7日までにインタビュー原稿作成(4,500文字)が待っている。なのに、あろうことか花見シーズンの到来。あちらこちらから花見や酒盛りのお誘いメールが続々と届き、すでにアタマの中は宴会モード。「どういう手順で仕事を片付ければ酒が飲めるのか」ということばかり考えているので、ますます仕事が進まない。バカだ。ホントに。

 ケツ、で思い出したのだが、仲のいいおじに直腸ガンが見つかった。口が悪くて飲んだくれのおじだが、気のよさは天下一品。もともと、痔瘻持ちで手術したのだが、組織検査でガン細胞が見つかったのである。昨年2月にやはり直腸ガンで母親が手術していたので、私自身はショックではなかったが、おじ本人は相当落ち込んでいる。

 見舞いにいったところ、本格的な手術を前にちょっとビビリ気味。「うちのお父さんは心臓で胸をザックリ、お母さんは直腸ガンで腹をザックリ、私も帝王切開でハラキリしたんだから、おじさんも仲間だよ」となぐさめておいた。

「ケツの穴がよぅ。なくなっちゃうんだよ」

 おじは半べそになっていう。ガンの位置が肛門に近いので人工肛門になるという。わかるよ、つらいのは。でも、一緒にメソメソしても仕方がないので「チンコがなくなるよりマシだよ」となぐさめる。一瞬、6人部屋の病室が静まり返ったように感じたのは気のせいか。姪っことして精一杯、なぐさめたつもりだったのだが……。

「そうだよな。チンコがなくなるわけじゃあるめえし。たかがケツの穴ぐれえ、くれてやる」

 おじは妙な納得をしていた。さすがはうちの家系、と満足して帰宅した。

 

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9年前の仲●由紀恵

 インタビューをするのに、いまだ古いテレコを使っている私。先日、カセットテープの山をひっくり返したところ、仲●由紀恵のテープが発掘された。そう、高視聴率を記録した「ごくせん」の主役。そういや、インタビューしたっけなと、懐かしくなってテープを再生してみる。

 テープから聞こえる声は、今のように落ち着いた雰囲気ではなく、幼い感じの、かわいらしい話し方。ちょうど2枚目のシングルが出る直前だったので、1996年の11月か12月ごろだろう。まだ、寮に住んでいると話していた、ブレイク前の彼女だ。

「わたし、沖縄育ちなんで寒いのって、だいっきらい!」
「入浴剤に凝っていて、いちばん好きなのは登別カルルス!」
「ライブとかやりたいなぁ。まだCD2枚しかないけど(笑)」

 小学生のときに母親のクルマを運転した、と話してマネージャーが大慌てしている様子も録音されている。

「実は私、クルマを運転したことあるんですよぉ」
「え、どうして? 免許取りたいっていっていたけど」
「沖縄でね、小学生のころ、母親のクルマを運転したんですぅ」
「えええ! それは公道なの? 自分ちの敷地?」
「えっと……」
「ちょっとちょっと……(あわててさえぎるマネージャー)」
「なに?(止められた意味がわからない)」
「いやいや。沖縄は治外法権なんだよねえ(汗)」
「なに? チガイホウケンってなに?」
「いや別に……、まあ、その」
「チガイホウケンってなに? どういう意味?」
「その、あの……」
「どういう字を書くの? なに?」

 激しく突っ込む彼女に、あわてまくりのマネージャー。私も編集長も、大笑いしている。整った顔立ち、かわいらしい話し方だけれど、チャラチャラした感じではなく「芯のしっかりした子だなぁ」と思いながら、インタビューをした記憶がある。こんなに売れっ子になるとは……。あのときの掲載誌を紛失し、サインももらっていないのがくやまれる。

(※基本的にインタビュアーはサインをもらわないのが普通。しかし、工●静香のときは思わずお願いしてしまったが)

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パチモンの争い

 以前、「どうしろというのだ」で紹介した、府中の森公園へ行ってきた。マリオキャラ風のカメや、人相の悪いアヒルがどうなったのか、猛烈に気になり、遊具広場へ向かう。

(ああ、あれからもう半年。雨や風やガキの手あかで荒れ果て、ますます深みのあるツラになったに違いない)

 はやる心を抑えつつ、広場へ行くと何やら異変が!

(ない! どこにもない!)

 カメは健在であったが、あのサイケかつダーティなアヒルがいないのである。姿を探し、キョロキョロと見まわしてみると、なんと別の生き物が新たに加わっていた。新入りだ……。

(ま、まさか。猿山のボスみたいに、勢力争いに負けたのか?)

 私は、注意深く「新入り」を観察する。一見すると、かよわい生き物にしか見えない。しかも、ツラは半泣き風。こんなヘタレが、勢力図を書き換えたというのか? いやいや、相手に油断させて、一気に攻撃してくるタイプなのかもしれない。そう、きっとそうだ。あのアヒルが負けるぐらいなのだから……。

DSCN2940 DSCN2941

 おいおい、今度は「チップ&デール」かよ! しかも、アメリカ製。府中の森で繰り広げれられるパチモン同士の争い、がぜん目が離せなくなってきた。

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お花見は危険な香り

DSCN0551 しばらく酒はうんざりだというのに、仕事で泣く泣く「花見酒」のコラムを執筆中。さくらラベルの日本酒やら焼酎の写真を見ながら「のどごしさわやか。冷やでどうぞ」などと書いているんだから、ライターというものは信用ならない。しかし、もっとも罪深き存在は出版社、編集プロダクション、広告制作会社である。頼むから「予算がないので、資料と電話取材でよろしく」という依頼は辞めてほしい。ホントにお願い。

 今年もすでに花見の予定を入れている私であるが、以前から花見で数々の失態をしでかしている。そのため、いつもこの時期になると「今年こそ、飲んだくれの花見ではなく、風流に花を愛でよう」と誓うのだが、所詮飲んべえのたわごと。まともな花見になったためしがない。

 OL時代は本社をあげての花見を、いつも私がセッティングしていた。宴会部長、ここにあり。花見当日は会社の車輌室をフル稼動させ、黒塗りのセンチュリーやクラウンでビールを運んだものだ。もちろん、白手袋の運転手付き。そして、続々と公園に集まってきた男性社員や常務や取締役から金をふんだくると、セッティングは終了。あとは自分も飲んだくれるのみ、である。

 気づいたら、4帖半もあるビニールシートを引きずって、ひとり新宿新都心をさまよっていたこともあった。ある年の花見では酩酊の挙げ句、花園神社で迷子になった。みんなと別れたあと、やはり花見でしこたま飲んだらしい、見知らぬオヤジとタクシーに乗って帰宅したこともある。我ながら、すばらしすぎる「花見経歴の持ち主」だと思う。さて、今年の花見はどんな危険が待ち受けているのだろうか。

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チン掻きオタク

 昨日は会社社長のインタビューがあり、ひさしぶりに秋葉原へ。平日だというのにものすごい人出で、サラリーマン以外はオタ系と思われる男ばかりだ。私の前を歩いていたのは、カバンを斜めがけにした30代デブオタ系。16度を超える、クソ熱い陽気だというのにチェックのネルシャツにコールテンのパンツという出で立ち。さすがに暑いのか、ハアハアと息が荒い。

(アニメばっかり見てないで、天気予報ぐらい見ろ)

 横をすり抜けていった20代ヤセオタ系は白のTシャツで歩いていた。手にはジャケットやジャンパーではなく、ペラペラのコットンシャツ。

(季節感まるでなし。イチかバチ)

 前から歩いてきたのは天然パーマの童顔オタ系。ひと昔前の松田聖子のように、軽くにぎった手をあごに添え、なぜか微笑みながら歩いていた。その笑顔は決して誰かに向けられたものではない。

(別の世界にいっちゃった……か)

 オタ連中はどいつもこいつも歩道の真ん中で立ち止まる。「人の流れ」とか「歩道の狭さ」なんてお構いなし。突然、予告なしに立ち止まるので、後ろを歩いている人間はぶつかりそうになるのだ。そして、おもむろに天を見上げた。……と思ったら、店先にぶら下がっていたアニメキャラのポスターをながめていた。しかも、チンコ掻いているし。

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うるさいオバチャンはかっこいい

 隣町にある私の実家は、もともと祖母がひとり暮らしをしていた土地にある。年老いた祖母の希望で、長男だった父が同居のために建てた家だ。まだ、同居をしていなかったころの母屋はとても古いもので、庭には井戸、トイレは汲み取り、風呂はなし……といった、昔ながらの平屋。だから、夏休みに「おばあちゃんちに行く」ことは「銭湯に行く」ということを意味していた。

 あのころの銭湯は、いまのように露天風呂やジャクジーなんてものはない。浴槽は2つで「ものすごく熱い」か「ほどほどに熱い」かのどちらかだけ。子どもだった私が水を足そうものなら、常連のオバチャンたちにこっぴどく叱られた。身体を洗っていても「泡を飛ばすな」「お湯はしゃがんでかけるもの」「使った桶は洗って片付けなさい」と叱られる。オバチャンたちはパンチパーマで、顔はしわだらけ、身体はまるで相撲取り。それはそれはおそろしい存在だった。しかし、そうしたおせっかいオバチャンのおかげで、知らず知らずのうちに銭湯でのマナーを叩き込まれたのだと思う。

 ある休日のこと。私は娘を連れて、家族連れでにぎわう銭湯に出かけた。どの洗い場も人がいっぱいで、私たちはようやく、空きを見つけてそこへ向かう。ふと見ると、2つ並んで空いていた洗い場には、2つの洗面器が置いてあり、お湯とともにタオルがひたされている。鏡の前には持参したシャンプーとリンス。浴槽に入っている誰かが場所取りをしているのだ。

 振り向くと、続々と入ってくる客が裸のまま、洗い場を探してウロウロしている。私は置かれていたシャンプーとリンスを隅に押しのけ、タオルをどかし、洗面器を使いはじめた。もちろん、使う洗い場はひとつ。娘と小さくなりながら身体を洗う。

 しばらくすると親子らしき女性ふたりが帰ってきた。母親は50代ぐらい、娘は20代だろう。場所取りをしたはずの洗い場にいる私を見て、母親は「ちょっと! 勝手にシャンプーをどかさないでよ。使っていたんだから!」と怒り始めた。娘も一緒になって「タオルまでどかして!」とカリカリする。親子ともども救いようのないバカである。

「あのねえ。こんなに混んでいるんだから譲り合うのがマナーでしょう」

 バカ親子にこんなことをいったところで、理解できるわけがない。母親は「他にも洗い場はあるんだから、そっちを使えばいいじゃないの! ここは私の場所なの!」とほざいた。ブッツリ……。堪忍袋の緒が切れる、とはこういうことをいうのだろう。私は静かにシャワーを止め、すっぱだかのまま、仁王立ちをする。

「あんたたち、自分の家の風呂と勘違いしていないか? ここは銭湯。私の場所、私の場所っていうけれど、ショバ代でも払ってんのかよ。エラソーにほざくな!」

 バカ親子はコソコソとタオルを抱え、上がり湯もかけずに出ていった。かたずを飲んで事の顛末を見ていた娘が、私を見上げて「ママ、かっこいい〜」とつぶやいた。そう、うるさいオバチャンはかっこいいのである。

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神様、反省しています

 バッグを落として以来、私は確かにへこんでいた。カードや携帯を止めたり、交番に行ったり、警視庁の落とし物問い合わせシステムに登録したり、合鍵を作ったり、タクシー会社に電話したり……。ただでさえ、仕事をため込んでいるところに、余計な雑用が増え、すっかり落ち込んでいた。加えて、猛烈な吐き気でトイレに駆け込むも、間に合わずに汚したカバーの洗濯、すっかり荒れ荒れになった胃が回復しないうちに家族の食事を作らなきゃいけないこと、週明けに襲ってくるであろう山ほどの原稿催促メールを考えるだけで、うんざりしていた。

 すべて自分が悪い。そう思いながら過ごした週末……。神様はそんな私の健気な姿を見て「もう、許してやるか」と思ってくれたらしい。そう! バッグが出てきたのだ! しかも、丸ごと!

 明け方に乗ったのは個人タクシーだった。あっくんは先に私を下ろし、家の前まで送ると、待たせていたタクシーに乗り、自分の家まで帰った。あっくんもすでに酩酊状態。足もとに黒いバックがすっ転がっていることには気づかなかったらしい。あっくんが持っていた領収書(あの状態でよく領収書をもらっていたと感心するが)でタクシーを割り出し、ようやく連絡が取れたのがついさきほど。タクシーのおじちゃんはなんと、隣町の、しかも私の実家のすぐ近所に住んでいた。ビール持参で引き取りに伺ったのはいう間でもない。

 おじちゃんいわく「土曜の朝方はアンタたちが最後だったんだ。それで、日曜日に定期検査に出したら、シートの下に何やら転がっていて……。たまたま土日休みだったからいいけど、あの後に他の客が乗っていたら持っていかれたよ」という。

 神様、しばらくはほどほどにします。それから「酒が飲みてえ」でコメントを下さった○子さん。ご主人に「くれぐれも飲み過ぎ注意」とお伝え下さい。

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宴会そしてバッグ紛失

 友人あっくんと電話をしていて、猛烈に酒が飲みたくなった。とはいえ、財布の中身に乏しく、飲みに行くほどの余裕はない。そこで「たまにはうちでどうよ」と誘い、あっくんが持参した泡盛750mlと、我が家にあった泡盛1升で宴会を始めた。

 つまみは前日の残りもの「肉じゃが」と、冷蔵庫をゴソゴソして、あわてて作った「唐揚げ」「ピータン豆腐」「マカロニサラダ」「きんぴらごぼう」などなど。それと、炊きたてのごはんで、おにぎりをたくさん作って並べておいた。

 宴会が始まったのが夜8時半ごろ。夫と娘は食事と入浴をすませて、夜11時ごろにて寝てしまった。リビングであっくんとふたり「まだまだこれから!」といいながら、酒を飲み続ける。途中、大量のポップコーンを作って、それをワシワシ食べながら「悪徳不動産屋の独り言」談義に花が咲く。

「悪徳さんがporonさんのことを『こういう親友が一人いたら、人生の幅が広がること請け合いです(*^^)v』って書いていたよねえ」
「うん、うれしいねえ。でさ、そういう人を親友に持つアンタはどう思っているわけ?」
「確かに人生の幅は広がるかもしれないけれど、いろいろと苦労もあるわけで」
「は? 苦労ってなんだ」
「志だけではどうにもならない、リスキーな面というか……」
「リスキーって……」
「悪徳さんとは、poronさんの親友でいることの苦労を共有したいなあ」

 そんなことを話しながら、泡盛を飲んでいたら朝の4時。すでに酔っぱらっている私たちは「これからカラオケに行こう」と盛り上がり、タクシーでカラオケ店へ。そこでまた酒を飲み続けたのがいけなかった。なんと財布や携帯、玄関のカギを入れていたバッグまるごとなくしてしまったのである。カラオケ店に問い合わせたが、見つからず。あとはタクシーに忘れてきたことを祈るだけだ。私たちを乗せたタクシーの所属している団体は、あいにくの土日休みで月曜にならないと連絡がつかず。最悪だ。しばらく酒はひかえよう。


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石和温泉殺人事件!?

 昨日のエントリで温泉話を書いていて「TOKYO Walker」で温泉特集の取材をしたことを思い出した。もうずいぶん前なのだが、編集部の担当に「石和、伊香保の取材をお願いします」といわれ、10カ所以上をまわったことがある。情報誌では、写真は大きさよりも点数勝負、取材原稿は本文よりもデータ勝負、という場合がほとんど。早朝からカメラマンと一緒に風呂から風呂を渡り歩き、ヘトヘトになるまで写真を撮り続けるハードな取材だ。しかも、たいていカメラOKなのは男風呂。私はTシャツと短パンになって、オヤジたちがチンチンブラブラしている現場に飛び込まざるを得ないのである。

 大股をおっ広げて、念入りにイチモツを洗うオヤジの横で、嫁入り前の私は汗だくになりながら洗い場やシャンプーの数を数える。そして、湿気でヨレヨレになった取材シートに「シャンプー10、リンス10、ドライヤーとカミソリ常備」などと記入していくのだ。

 石和の温泉旅館は、チェックアウト後&チェックイン前の時間帯を指定され、取材を行なった。フロントに出てきた若女将は「ちょうど掃除をした後なので男風呂、女風呂の両方を撮影できますよ」という。私とカメラマンはさっそく機材を大浴場に運び、女風呂から撮影することにした。

 ガラガラガラ……。脱衣所のドアを開ける。中は電気がついておらず、外の光がほんの少し差し込む程度の明るさ。12帖ほどの脱衣所には、まるで銭湯のようにいくつものロッカーが整列していた。私たちはロッカーの合間をぬうように、機材を引きずりながら大浴場へ向かう。……と、そのとき! 私の前を歩いていたカメラマンの足が止まった。

「なに? どうしたの?」

 カメラマンは返事をしない。肩ごしにそっとのぞき込むと、何か大きなものが床に置いてある。薄暗がりのなか、私はその「何か」に、おそるおそる近づいてみた。

おばあちゃん!

それも上半身裸で倒れている!

 上半身はすっぱだか、下半身は腰巻きをつけたおばあちゃんが、仰向けに倒れているのだ。目をつぶったまま、微動だにしないおばあちゃんを見て、カメラマンは「し、死んでる?」とつぶやく。あああ、火曜サスペンス劇場ではないか。

 ……と、突然! おばあちゃんがムックリ起きて立ち上がるではないか! ぼう然とする私たちに気づいたおばあちゃんは、

「ああ、よく寝た。ここがいちばん涼しいのよ。で、あんたたち誰?」

 と聞いた。シワシワおっぱいを見せながら、すっとぼけたことをいうおばあちゃんは旅館の大女将だった。

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年代モノに見る厚化粧

 見たいわけじゃないが、なんとなく旅番組を流していることがある。おのれの取材経験にもとづいて、どうせ仕込みだろ、これはヤラセだろと、冷めた目線を投げつけながらも「温泉行きてえ〜」とか「刺身食いてえ〜」などと思ってしまう。

 昨日はチェリッシュが出ていた。この夫婦を紹介するシーンで、かならずバックに流される「てんとう虫のサンバ」。ブライダル撮影もするカメラマンの夫に「あいかわらず、“てんとう虫のサンバ”を歌うやつはいるのか」と聞いてみたところ「そんなのいねえよ」と返される。「じゃあ、オヤジが“娘よ”を歌うとか?」「アムロの“CAN YOU CELEBRATE?”でしょう」と聞くが、夫は「だいたいなぁ、最近の結婚式で歌なんてやらないよ」とうんざり顔。もう、ダメだ。結婚式の余興担当だった私も、時代の流れには逆らえない。

 ややガックリしたところで、チェリッシュの悦ちゃんが温泉に。めいっぱいのドーラン、キッチリひいた口紅が印象的。先日のあべ静江も、ショッキングピンクの口紅で温泉に入っていた。どうして、旅番組に出る熟女はこうも厚化粧なのか。温泉に入って汗だくでも、顔のメイクはかかさない。「さぁて、明日もあるから、そろそろ寝ましょう」なんてシーンでも、真っ赤な口紅をつけたまま、布団に入る。

 温泉に入ったら「うひーっ」といいながら、顔をザフザブしたい私としては「化粧をするな、とはいわない。せめてナチュラルメイクにしろ」と説教したい。また、結婚式でいまどき「てんとう虫のサンバ」を歌う女がいたら、それは相当の年代モノ。悦ちゃん同様、厚化粧確実。

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微笑ましいギシギシアンアン

■ギシギシアンアン その1

                     \ 
    |  (゚∀゚)ハイハイ       スキスキスキスキ 
   / ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄             / 

    |                     \ 
    |  (゚∀゚)キュンキュン      スキッスキー 
   / ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄             / 

    |                      \ 
    |  ('A`)            イッキューサン 
   / ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄              / 




■ギシギシアンアン その2

                   \
    |  ( 'A`)           アンアンアン
   / ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄          /

    |                   \
    |  ('A` )           トッテモ
   / ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄        ダイスキ/

    |                   \
    |  (゚∀゚)!!            ドラエモン〜♪
   / ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄          /


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ショウカイはムズカシイ

 先月から今月にかけて、新規の仕事依頼がうなるほど入ってきている。しかも、どれもWebサイトのライティング仕事。どうやら決算を迎えた企業が「よ〜し、この調子なら来期は大きく出るぞ!」とサイトのリニューアルをしたり、新規作成しているようだ。とはいえ、こっちのキャパにも限度っつーものがあるので、泣く泣くお断りするのだが、先方も必死。「ならば、どなたかご紹介いただけませんでしょうか」と、たたみかけてくる。

 私自身、受けている仕事のほとんどがどこかからの紹介だが、人を紹介することはほとんどない。たとえば「安くてもおもしろければいい」とか「つまらなくても高くなきゃイヤ」「大変でも、やりがいがあればいい」など、ライターによってそれぞれの価値観があるので、単に紹介するのはむずかしい。しかも、クライアントにしても求める基準はそれぞれで「安いギャラでそこそこ書いてくれる人」だったり、「専門分野をきっちり書いてほしい」「質より納期の早さ」というところもある。そんなバラバラの要望をすり合わせるのは大変で、できればそんな手間をかけてセッティングするよりも、たまっている原稿をさっさ書きたい、と思う。

 今回は2つのクライアントで、ファッションコラムを書いてくれるライターと、コスメライター、企業サイトのコンテンツを書いてくれるライターを探していて、ここ数日はそのメールのやりとりで終わってしまっている。校正をしなくちゃならないWebコンテンツ、12本分のコラム、雑誌のレギュラーページの原稿、会議の資料、イベントの企画書などなど、やることはいっぱいなのだが、手がつけられず。しかし、ライター仲間やデザイナー、編集者も面倒と思いながら、私をどこかに紹介してくれているわけで、たまにはお役に立てればいい。ましてや、紹介したライターさんとクライアントの両方が「やってよかった」「頼んでよかった」と満足してくれれば、なおさらうれしいのだが、どうなることやら。

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リベンジ、駄菓子

DSCN2921 私の母は結婚と同時に仕事を辞め、ずっと専業主婦として生活をしてきた。だから、幼いころのおやつはすべて手作り。毎日、学校から帰ると季節のフルーツを使ったジュースと、出来たてのドーナツやクッキーがテーブルに並んでいた。いま、思えばそれはとても手間をかけた贅沢なものだが、子どもにとってはアツアツのドーナツなんかよりも、着色料たっぷりの駄菓子、フレッシュジュースなんかよりもメロンソーダ味の粉ジュースのほうが魅力的だ。親の立場になると、確かに駄菓子はあまり食べさせたくはない。できれば手作りで、しかも作り立てを食べさせたいと思うが、幼少時の欲求はトラウマになる。

 昨日は保育園のクラス交流会があった。幹事をしている私は前日に、子どもたちに配るお菓子を買いに行き、いつも母から「身体によくない」と、めったに買うことを許されなかった駄菓子3種をセレクト。まずは王道、ベビースターラーメン。お許しが出て買えたとしても「1度に全部食べちゃダメ。2回に分けなさい」といわれ、半分取り上げられていたベビースターラーメン。ああ、これをさ、袋ごと口にくわえてザザ−ッと食ってみたかったんだ……。そして、定番の森永チョコボール。食べ過ぎると鼻血が出るわよ、などと脅かされたチョコボール。銀のエンゼルが出ても3枚集める意欲むなしく、すぐに紛失。いつだって缶詰までたどり着けなかった。そして「うるさい!」と叱られたフエラムネ。口笛さえもロクにできないのに、フエラムネがあればいっぱしになった気がしたものだ。

 俗にいう大人買いは、幼少時に満たされなかった欲求のリベンジである。クラス交流会で子どもたちにお菓子を配り終え、ふと娘を見るとベビースターラーメンの袋をくわえて、ザザ−ッとやっていた。やっぱりそう来たか。どうだ、満足か。

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気の弱い営業マン(1)

 某広告制作会社の営業担当Eくんは気が弱い。タイアップコンテンツの打ち合わせに行っても「どうですかねえ。どんなのがいいでしょうかねえ」という感じで、まったく頼りにならない。何もイメージがない状態ではこちらも仕事ができないので仕方なく、コンセプトやターゲット、デザインなどを矢継ぎ早に質問すると、Eくんはものすごく困った顔をする。私は彼のそんな困った顔を見るのがおもしろくて、ついついイジワルな気分になるのだ。

 今回はA社のWebsiteで、ハウスメーカーB社を紹介するコンテンツである。原稿を書くためにはまず、いちばんアピールしたい部分を決めなくてはいけない。

「PRしたいのは商品? それとも会社? 展示場?」
「どうなんでしょうねえ……」
「それが決まらないと原稿かけませんよ」
「商品イチオシで、展示場をサクッと……」
「商品ね? 展示場はサクッとね?」
「基本的にはそうですねえ……」
「で、コンテンツの分量は?」
「A4で2枚ぐらいでしょうか……」
「A4で2枚ね。」
「は、はい……」
「写真点数は?」
「少なめ……でいいと思います」
「締め切りは?」
「無理ならいいんですが、な、なるはやで……」

 営業とは思えない気の弱さ。大丈夫かなあと心配しつつも仕事を進め、10日後にラフコンテと原稿をセットで渡す。ああ、終わった。後はクライアントのチェック待ちだ……と思っていたのだが、それからが長かった。なんと5カ月目を迎えた現在、まだ完成していないのである。

(つづく)

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気の弱い営業マン(2)

 11月に打ち合わせをして、12月初旬に入稿したタイアップコンテンツの原稿は、いまだ完成していない。最初のラフコンテと原稿を渡したときは、Websiteを運営するA社からほんの少しの内容追加を指示され、修正した。その後、A社ではなく広告制作会社が「原稿はOKだけどデザインが気にいらない」とデザイナーに3回の修正を指示。そして、ようやくアップされた3度目の仮デザインを校正し、終わるはずだった。なのに先日、制作開始から4カ月目にしてハウスメーカーB社から大幅な修正の指示が! しかも、コンセプトからデザインから写真点数までまったく違うものである。

「A社とB社とEくんとのすり合わせはできていたの?」
「いちおう、していたんですが……」
「じゃ、なんでいまごろひっくり返るの?」
「困っちゃいましたねえ……」
「コンセプトから変更されているじゃない」
「そうですねえ……」
「そもそも、コンセプトがあいまいだったよね」
「そうでした……」
「私、何度も確認したよね」
「そうでした……」
「コンセプトによって記事構成も使う写真も変わるでしょ」
「そうなんです……」
「デザイナーさんもかわいそうだよ。何度も変更させられて」
「ホントにそうです……」
「私だってかわいそうでしょ! もう5カ月だよ」
「あああ、す〜み〜ま〜せ〜ん……」

 Eくんは泣きそうだった。気が強くて押しも強い私を仕事相手に選んでしまったEくん。かわいそうに思いつつも、いじめたくなってしまうのは私の性根が悪いのか。それともEくんのせいなのか。

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卵のお仕事

 徹夜1週間の末、ようやく終わった確定申告。我が家はふたりともフリーランスなので、ギャラはいつも10%の源泉が引かれて振り込まれる。チリも積れば……で、1年分のギャラ10%はそれなりに「まとまった金額」となる。だから毎年、確定申告の季節は必死。経費を計上し、もろもろの控除を引くと源泉されていた額が戻ってくるからだ。我が家にとっては年に1度のボーナスをもらうための儀式みたいなもので、そのためには徹夜さえもがんばれるというものである。

「これで旅行に行ってやる」「これであれとこれも買っちゃうんだから」「ちょっとまて。その前にはっちゃけオフも」などと、つぶやきながら、帳簿として使っているエクセルと国税庁【確定申告書等作成コーナー】を交互ににらめっこ。そんな鬼気迫る私を見て「いったい何をしているんだろう」と不思議に思った娘がのぞきに来る。

「ママ、何をしているの?」
「うーん。お仕事」
「タイヘンなの?」
「大変だよねえ」
「……」
「でも、がんばってやるとご褒美がもらえるんだよねえ」
「……」

 娘はパソコンと山盛りの領収書、確定申告の書類を見ながら、小さいアタマで必死に理解しようとしている。まあ、わかるわけないよねえ。私だってむずかしいんだから。

「卵のお仕事?」
「は?」
「タマゴでしょ? 卵」
「???」
「だから、これ! 卵のお仕事じゃん」

DSCN2919




 ……(笑)。
 確かに卵が並んでいる。


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酒が飲みてえ

DSCN2912 3つの仕事の合間に確定申告をやり、取引先から頼まれたライター探しと、市の委員会の資料づくりをしている。そんなわけで更新が停滞中。メールもたまっているが返事が書けず。おまたせしている方、すいません。

 クソ忙しくなると無性に酒が飲みたくなるのだが、そんなヒマがあるわけもなく、仕方ないのでドラマ『溺れる人』を見る。キッチンで料理酒をラッパ飲みしたり、ビールの自販機横を通りかかっただけで身体がワナワナ。見ているだけで、二日酔いの感覚を思い出すようなドラマであった。

 飲みに行くとワイン、日本酒、焼酎、泡盛をコップ単位ではなく、ボトル単位で飲んでいる私だが、実は自宅では飲めないタチなんである。友だちとエロ談義をしたり、おいしい刺身を食べたり、酔っぱらいにからまれたりというシチュエーションがあってこそ、飲む気もおこる。家でテレビを見ながら缶ビールなんて、絶対にムリ。あり得ない。

 ああ、飲みたい。一段落したらオフ会でもやるか。題して「はっちゃけオフ」。理性だの道理だのは一切なし。もちろん「そろそろ、電車が……」とか「このへんでぼちぼち……」は禁句だ。ぜひ、伝説を作ろうではないか。酔っ払いの王道を目指そうではないか。

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