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気の弱い営業マン(1)

 某広告制作会社の営業担当Eくんは気が弱い。タイアップコンテンツの打ち合わせに行っても「どうですかねえ。どんなのがいいでしょうかねえ」という感じで、まったく頼りにならない。何もイメージがない状態ではこちらも仕事ができないので仕方なく、コンセプトやターゲット、デザインなどを矢継ぎ早に質問すると、Eくんはものすごく困った顔をする。私は彼のそんな困った顔を見るのがおもしろくて、ついついイジワルな気分になるのだ。

 今回はA社のWebsiteで、ハウスメーカーB社を紹介するコンテンツである。原稿を書くためにはまず、いちばんアピールしたい部分を決めなくてはいけない。

「PRしたいのは商品? それとも会社? 展示場?」
「どうなんでしょうねえ……」
「それが決まらないと原稿かけませんよ」
「商品イチオシで、展示場をサクッと……」
「商品ね? 展示場はサクッとね?」
「基本的にはそうですねえ……」
「で、コンテンツの分量は?」
「A4で2枚ぐらいでしょうか……」
「A4で2枚ね。」
「は、はい……」
「写真点数は?」
「少なめ……でいいと思います」
「締め切りは?」
「無理ならいいんですが、な、なるはやで……」

 営業とは思えない気の弱さ。大丈夫かなあと心配しつつも仕事を進め、10日後にラフコンテと原稿をセットで渡す。ああ、終わった。後はクライアントのチェック待ちだ……と思っていたのだが、それからが長かった。なんと5カ月目を迎えた現在、まだ完成していないのである。

(つづく)

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