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アルマジロ女

アルマジロ(armadillo)

 貧歯目アルマジロ科の哺乳類の総称。よろいのように固い背中をもつ小動物。敵にあうと体を丸める。

 締切りと締切りの間、それもたった1日の休日だったので、家族揃って焼き鳥屋へ。お通しのキャベツに辛味噌をつけてワシワシ食べながら、焼酎をガブガブ飲んできた。焼き鳥、手羽揚げ、鶏刺し、鶏ガララーメンも堪能し、機嫌よく店を出る。駅までの道は商店街が続き、娘と手をつなぎながら、テレテレと歩く。

 途中、歩道から横にそれるように、遊歩道がある。幅は約2メートル、生け垣に囲まれて夜はかなり暗い。人の気配はなく、神社の参道を思わせる不気味な雰囲気だ。その遊歩道を通り過ぎようとしたとき、暗やみで何かが動いているのに気づいた。

 明るい歩道から、真っ暗な遊歩道をのぞき込む。目をこらして見てみると、土の上に何やら黒いかたまりが置いてあり、その傍らには男がぼんやりと立ちつくしている。

「?」

 あまりの奇妙な光景に、思わず私も立ち止まった。あの黒いかたまりは何なのだ。あの男はいったい何をしているのか……。暗やみに目が慣れてくるにつれ、その黒いかたまりの正体が明らかになっていく。

「女!」

 黒いかたまりは、黒いスーツを着た女だった。まるでアルマジロが身を守るがごとく、女は土の上で丸まっていた。ストッキングを履いた脚は正座をし、頭を隠すようにして丸まってる。どうやら相当、酔っぱらっているらしく、死んだように動かない。男はハンカチを片手に持ったまま、ぼう然と立ちつくしていた。そして、私の視線に気が付くと、あわてて散乱したバッグと紙袋を集め始めた。

「オレ、女が土の上で丸まっているの、初めて見たよ。アルマジロみたいにスゲエ、丸まっているよ!」

 夫はなにやらうれしそう。私はしょっちゅう酔っぱらうが、間違っても外で寝たり、丸まったりはしない。

「どこに連れて帰るんだろうか」
「男の家に連れていくつもりだったのかな」
「酔わせて食っちゃうつもりだったのかも」
「それに気づいた女が丸まって防御!」
「今晩は修羅場だなぁ。寝ゲロとかしそうだし」
「もう、ゲロっているかも!」
「で、その上で丸まっちゃっているかも!」
「スーツ、ゲロまみれ! 大変!」

 …………。アンタ、なんでそんなに楽しそうなんだ?

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「バカネタ」カテゴリの記事

コメント

poronさま、こんにちは、keichanです。
この記事から想像しますると、ご主人さまは、随分"想像力がたくましい方"とお見受けしました。
まぁ、男という者はこうした生き物なので、keichan共々お許し下さい。(笑
私思うに、このカップル、くそみその間柄で今夜は上手くいくと、キボン。

投稿: keichan | 2005.04.17 11:37

■keichanさん

うまくいったんでしょうかねえ……(笑)。
ふたりがどうなるか、見届けたかったです。

投稿: poron | 2005.04.19 05:03

アルマジロ作戦では無理と見た女は
作戦をかえた!

「引っ越し! 引っ越し! しばくぞ!」

男はたまらず退散した・・・

投稿: bun | 2005.04.30 18:43

■bunさん

ドラクエのやりすぎです。

投稿: poron | 2005.05.02 05:43

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