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予算がない

 不景気になってからというもの、ふたこと目には「予算がない」というクライアントが増えている。腹立たしいったらありゃしない。

 数カ月前、とあるWeb制作会社の仕事を受けた。websiteの仕事は紙媒体よりも安いことがほとんどで、手間ひまは変わらない。しかも代理店が間に入っていたりすると、中間マージンをごっそり取られ、ライティングのギャラは「これってギャラじゃなくって謝礼ですか?」と嫌みをいいたくなるほど安くなる。はっきりいって「できれば避けたい仕事」だ。とはいえ、私はふだんからギャラの良し悪しよりも「気持ちよく仕事ができるか」を重視して取引先を選んでいる。

 web制作会社との交渉で決めたギャラは、やはり紙媒体にくらべれば安いといわざるを得ないものだったが、お互いに気持ちよく仕事ができればそれでいい。仕事が終わったあとで「いいライターさんを紹介してくれて助かったよ」と感謝されれば、紹介者の顔も立つ。そう思いながら、仕事を進めた。

 ところが……だ。仕事がもうすぐ終わろうとしていたとき、web制作会社から「急にですね。同じサイトのなかで、あと○ページ分の原稿が必要になりまして、追加でお願いしたいんですが」と連絡が来た。ちょっとした文量の追加ではない。最初に引き受けた仕事と同量ぐらいあるものだ。私は電話口で「追加料金はおいくらで?」と聞くと、なんと相手は「最初に頼んだ仕事と今回の追加を合わせて、料金はそのまま」といいだした。理由は同じサイトの仕事で予算は最初から決まっているから、という。しかも「もともと、ライティング用の予算がないんですよ」といった。 つまり、web制作会社はホームページを作る仕事を引き受けたものの、一式いくらの予算だったため、ライターに外注する予算を別枠で作っていない、という話だ。いくらなんでも、そりゃないだろうよ。

 プロの料理人が作るレストランに行って、さんざん追加注文をしたあげく「予算がないから最初に頼んだ1品分だけ金を払う」なんてことがあるだろうか。金がなければキャベツでも買って、自分の家で食えばいい。最近「予算がない」といえば、なんでも安く済ませられると勘違いしているクライアントが多すぎる。ここ数年、雑誌なんかもこの手が多く、あまりにも「予算がない」「予算がない」が続くと「編集部で原稿書きましょうよ」「本、出すの辞めたらどうです?」といいたくなる。

 いまどき潤沢な予算を確保しているところなんてあるはずがない。ならばせめて、気持ちよく仕事ができるかを考えたらどうか。「今回はこれしか出せないんだけど、できるだけ手間がかからないように努力するから」とか「ゴメンね〜、次回埋め合わせするから」などといわれれば、こっちだってむげにはしない。物はいいよう、人も使いようなんである。

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「仕事ネタ」カテゴリの記事

コメント

あちゃー怒り爆発していますね、こりゃ(^^;>
初めの打ち合わせって、どの分野でもすっごく重要だと思います。その段階で金銭の話はしっかり詰めてすべきなんですが、やっぱり抜けることもあるわけで。

そこでその担当者の人間性が今後の取り引きに影響してくるような気がします。
会社の都合があるだろうから、誠実に対応してくれれば、どおってことはないんですけどね。
こんなの言い方ひとつなんですが、担当者の人柄がモロにでてしまうところでなんともかんとも。

「プロの料理人」の例えばすばらしく分かりやすいです。こういう意識が職業人には求められると思います。どんな職業でも。

あとフリーな職業なかたは、皆こういったツライ・面白くない経験をされている人がほとんどだと思います。
実力のある方が、こういう筋の通ったことをしないと業界事体が悪くなっていきますから、poronさんがガツンと言ったのは大正解だと思います。

いいこともあれば、悪いこともあるさね。
がんばっていきましょう~!

投稿: コロラド | 2005.08.26 17:30

結局「人」なんですよね。
これは企業人にしても同じことが言えるんですよ。
やっぱりやるからにはお客さんから「株トムシさんが
担当で良かった」って言われたいですし

そこから仕事がつながっていくこともあり。

幸いお客さんに恵まれてかなり高評価を
頂いてありがたい今日この頃。

逆に下請けに発注しても全然ダメダメで
かえって原価が悪化してしまうこともあり

難しいところですよね。

投稿: 株トムシ | 2005.08.27 00:40

撮影中に同様のことを言われること、良くありますなぁ。
天気がイマイチで、ロケに3回行っても予算は一緒みたい
なorz

如何に口車で丸め込んで、予算を獲得させるか.....毎回苦労
させられます。

投稿: へらコブラ | 2005.08.27 06:01

■コロラドさん

雑誌なんかだとすでに編集部独自のギャラ規定があるし、
1号分にかけられるお金も決まっているので
ツーカーで話が進むんですけど、広告制作会社とか
Web制作会社なんかの仕事って、ほとんどが単発でしょう。
だから、ややっこしい話になるんですよねえ、きっと。

コロラドさんがおっしゃる通り、人柄って大事。
予算はないけど、一緒にいいものを作っていきましょうとか、
申し訳ないんだけどこれで勘弁してくれる?
……なんてところだと、私もついつい「いいよいいよ、
がんばっちゃうもんね」となっちゃう。
豚もおだてりゃ……というわけで、お金がなければ
人を上手に使うテクを学んでほしいなぁと思います。


■株トムシさん

うーむ。下請けに発注して泣きたくなることもあるんですねえ。
私もそう思われないように気を引き締めて仕事をしなくちゃ。

本当は私、ギャラにはうるさくはないんですよ。
でも「使ってやっているんだ」とか「いかに安く仕事を
させようか」とか「フォローいっさいなしのブローカー」
みたいな会社には、すぐに文句をいいます。
だから、使いづらいライターと思っているところも
多いんじゃないかな(笑)。

■へらコブラさん

カメラマンは最近、経費節減のあおりで大変ですよね。
うちの夫も「フィルムだったら何本まで」とか、
コミコミで、という仕事が多くなり、泣いています。

投稿: poron | 2005.08.28 03:07

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