満身創痍
自転車に乗っていてすっ転び、後頭部を強打。精密検査の結果、頭蓋骨骨折と内出血はなし。しかし、頭を打った衝撃で目の神経を痛め、パソコンを使うのがちょっとつらい。度の強いメガネをかけて生活しているような感じで、遠近感がちょっとわかりづらい。そんなわけで、ちと更新をお休みしています。
自転車に乗っていてすっ転び、後頭部を強打。精密検査の結果、頭蓋骨骨折と内出血はなし。しかし、頭を打った衝撃で目の神経を痛め、パソコンを使うのがちょっとつらい。度の強いメガネをかけて生活しているような感じで、遠近感がちょっとわかりづらい。そんなわけで、ちと更新をお休みしています。
先日のこと。どうも尻が痛い。パソコンチェアに座っていても、座卓で食事をしていても痛い。パンツ後方に手を突っ込み、痛みのモトを手探りしてみたところ、なんと尻穴から1センチぐらいの場所に「おでき」があった。相当、腫れているらしく、ちょっと触っただけでも「うへえ」と叫びたくなる。とりあえずここは視認だろ、ということで夫に患部を見てもらう。
常に私の一存で物事が決まり、常に夫を尻に敷いている我が家。そんな夫婦間ヒエラルキーを鑑みても、蛍光灯の下で夫に対し、ケツをおっ広げて見せる、という行為は非常に屈辱的なものではあったが、背に腹は変えられない。だって自分じゃ、見られないんだから。
「うわあ〜痛そう、化膿しているよコレ」
もうダメだ、医者に行ってこいといわれたものの、さんざん股ぐらを診せている皮膚科で(続・病院でのはずかしいこと、股間ふたたびを参照)、今度はケツかよ。今回はパンツをちょっとずり下げるだけじゃ無理だ。ガッツリ脱いだ挙げ句、肛門まで見せなければならない。オンナとして、いや人間としてそこまでしていいのか。……と、自問自答。
結局、そこまで開放的になれず、おでき放置の道を選んだ。人間の尊厳、というものに神様も納得したのかは知らないが、数日のうちに腫れがひき、皮膚科に行かないまま完治。ああ、やれやれ。何とかケツを開帳せずに済んだよ。……とホッとしたのもつかの間、母からの電話で父が「そけいヘルニア」で近々、手術することを知った。ケツを守り抜いた娘に変わって、横チンを切る父。うちの家系は下半身の呪いにおかされているのかもしれない。
原稿を書いたあとはいつも寝つけない。徹夜を続ければ続けるほど、カラダは疲れているのに、アタマが興奮していく。ドーパミン過剰分泌、分裂症一歩手前といったところか。
今朝もそうだ。陽がのぼり始めたころに2本分の原稿を突っ込み、達成感あふれる状態で布団に倒れ込んだものの、アタマが覚醒していて眠れやしねえ。天井を見つめながら、いろいろなことを考えているうち、なぜか「ホテル井の頭」を思い出した。ずっと記憶の片隅にしまいこんでいたホテル井の頭……。
ホテル井の頭は井の頭公園に隣接する、レトロ感あふれるラブホテルだ。私がここを利用したのはずいぶんと昔だが、その時期すでにこじゃれたブティックホテルが吉祥寺に出現しており、なにもここで用を足す必要はないだろう、という感じの位置付けであった。まず、驚くべきことに玄関に入るとババアが飛び出してくる。しかも、フロントカウンターなんかじゃなく、ドアから飛び出してきて、真正面に立ちふさがる。人目を忍んでホテルを利用するカップルに、容赦ないダメージだ。
「お部屋はね、1泊いくら。チェックアウトは○時」と説明され、早々に金を請求。金がないもんは泊まらせないよ、といった気迫すら感じられる。
「ちょっと待ってね」
金を受け取ったババアは玄関横の事務室らしき部屋に入っていった。釣りでも持ってくるのかと、玄関で待っているとババアは何やら抱えて帰ってきた。……魔法瓶、茶筒、湯のみ。お茶セットかよ! さあさあ、どうぞと促され、部屋に向かう。クネクネと曲がる薄暗い廊下を歩くと、今度はものすごい傾斜の階段が現れた。人ひとりがようやく這い上がれる、という感じの、細くて急な階段。脚を踏み外したら地獄へまっ逆さまだ。ここで断念したカップルはいたのだろうか、ヤルだけの根性を試しているのか。ババアはお茶セットを抱えたまま、ものすごい早さで階段を登っていく。お前は忍者か。
息も絶え絶えになりながら階段をよじ登り、ようやく部屋へたどりついた。ババアはさっさと部屋に入り、まるで「お疲れでしょう」とでも言いたげに、ジョロジョロとお茶を入れ始める。期せずして山のお茶屋で疲れをいやす旅人の心境を味わった。
ようやくババアが部屋から出たので、風呂でも入るかと浴室へ。そこにはなんと金ラメの風呂おけが鎮座していた。しかも、天井にはなぜか藤棚。もう笑うしかないじゃないか。
翌朝、チェックアウトをする私たちを目ざとく見つけたババアは「もう、外は明るいから、こっちから出なさい」と、にぎやかなバス通りに出る表口ではなく、井の頭公園へとつながる裏口を案内してくれた。外に出ると、そこにはジョギングをする人や、散歩を楽しむ老夫婦が……。目の前に広がる、さわやかな朝の風景と、迷宮から抜け出してきたヨゴレカップル。なんだかもうゴメンナサイの気持ちでいっぱいだったのである。
ホワイトバンドが香ばしいことになっている。あれだけ金をかけてプロモーションをしていて、残った金はいくらでどうなるんだと思っていたら、募金じゃなくってNGOの活動資金になるわけね。ビニールひもで充分。
(参考サイト)
●ほっとけない 世界のまずしさ
●FrontPage - ホワイトバンドの問題点
●ほっとけない日本の汚さ
●Kojii.net - Opinion : ますますほっとけないホワイトバンド (9/16に追加)
34度の暑さのなか、仕事の打ち合わせで新宿タカシマヤへ。パパス・カフェでアイスコーヒーを飲んでいると、友人でもあり、ライターでもあり、今回の発注者でもある「りえ姐」が遅れてやってきた。りえ姐とは先日、新橋で酒を飲んで以来(新橋酒呑み事情を参照)。彼女は最近、有限会社を立ち上げたり、自著を出したりと著しい活躍を見せている。
席につくなり、私のグラスをチラリと見て「なによ、飲まないの?」といい出した。アイスコーヒーのことじゃない。ビールとかワインを飲まないのかって話だ。太陽がギラギラと照りつける新宿・午後2時。こんな時間からオンナふたりで酒を飲んでいいのか。いや、ダメだろう。
……と思いつつ「飲まなきゃ、やってられないわよう」と叫ぶりえ姐につられ、グラスワイン追加。なんて弱いニンゲンなんだ、私は。りえ姐は「真っ昼間の白ワインは効くのよ」などといいながら、さっさと仕事の話を始める。その時間、正味10分ほど。あとはまったく仕事とは関係のない、うまい餃子の店だの、バーベキューの約束などで1時間半。さんざん飲んで、しゃべったあげく「原稿さぁ、今日中でお願い」と来たもんだ。ええ、ええ、書きましたとも。ま、こういう打ち合わせもたまにはいい。
miyocoこと引っ越しおばさんの出現で「騒音は罪である」ことが認知されてきた今日このごろ。騒音を生み出す本人が犯罪者になるだけでなく、騒音トラブルで刺し合い殴り合いなんてこともあるわけで……。先日、私もある騒音のせいで、あやうく犯罪者の仲間入りをするところだった。
その日、私は娘をつれて近所の公園へ出かけていた。夕暮れ間近で人がまばらになった公園。静かにのんびりと過ごすのには最適なシチュエーションだ。噴水の近くに腰を降ろし、脚を水にひたして遊ぶ娘をながめる。そよそよと吹く風を感じたり、かすかに聞こえる虫の声に耳をすまし、もう秋なんだなあとシミジミしていたそのとき、ひとりの女が近づいてきた。歳は30ぐらいか。手入れをしていない長く赤茶色の髪、日頃の生活ぶりを垣間見るような肌の荒れ、そして何よりも魔法使いのおばあさんみたいな顔がなんともいいがたい、ちょっと生理的に受けつけないタイプの女だった。
女は静かに噴水の端まで歩き、突然トランペットを吹き始めた。たったひとり、噴水で遊んでいた娘は何ごとかと驚いている。
ぷひぃ、ぷふううう、ぷ〜、ぷ〜、ぷ〜、ぷへっ!
ひどいもんだ。練習とはとても思えないほどの吹きっぷり。ときおり噴水のまわりに座っている私や家族連れをチラリと見ると、「ふふん」とした顔で吹き続ける。憎々しいったらありゃしない。オマエ、その「ふふん」はどういう意味なんだ。嫌がらせか? ケンカ売ってんのか?
噴水で遊ぶ娘に向かって、まるで放屁のような音を出したあと、今度は私の隣のベンチに座り、こっちを向いて吹く。ぷふううう、ぷ、ぷふぉ〜、ぷへっ! 聴いちゃいられない。こっち向くな、あっち行け。刺すぞ、ゴラァ!
そんな私の苛立ちをよそに、女は屁を垂れ流す。そのうち「猫ふんじゃった」や「クラリネットをこわしちゃった」を吹き始めた。音をひとつずつ「ぷ」「ぷぅ」と吹くので、ものすごいスローテンポ。集中して聴かないと何の曲だかわからない。しかも、しょっちゅう「ポへェ」という音階不明の音が出現するので、苛立ちを通り越して、泣きたくなった。騒音は罪……。
モノクロに変換し、解像度を落としたこの写真は
あくまでイメージです、といっておこう。
ほったいもいじるなのnemotaさんのコメントで気づいた、コメント通知のワナ。「ウンコの呪い」、「人を呪わば穴ふたつ」に続いて、またやってしまった……。
ココログから届く「刺し殺す」のコメント通知メール。15件もコメントをいただいたので、15通の「刺し殺す」がメーラーに踊る。つくづく学習能力がねえな。いいかげん、タイトルの付け方を考えなきゃいかん。
ひそしぶりに東小金井の海風へ行き、サンマの刺身をつまみながら泡盛を飲んできた。大人3人でボトル1本半をあけたものの、酔いはイマイチ。そこで夫と娘を先に帰し、私とあっくんは海風のナナメ前にあるHanging tsaka Araw(ハンギン・チャカ・アラウ)というバーへ。初めて訪れる店だったが、以前から「メニューのほとんどが500円だし、雰囲気もなかなか」と耳にしていて、1度は行ってみたかったのだ。
木をふんだんに使ったロッジ風の店内、開け放した窓からは心地よい風、落とした照明とテーブルキャンドル、気さくなマスター、豊富なドリンクメニュー。うーん、いいねえ。
最初に頼んだカクテルを飲み干してすぐ(しかもチェイサーが出てくる前。3口で。がっつきすぎ)、ギターを抱えた男性がライブを始めた。どうやら私たちはたまたま、ライブの直前に入店したらしい。ミュージシャンはR&Bの秋山登志夫氏。しっとりとした歌声と、郷愁を誘うオリジナル曲がたまらなくいい。しかも、ギターを奏でる指先のセクシーなこと!
思いがけず、歌を聴きながら酒を飲む、という贅沢を味わった私は、そりゃあもういい気分で飲みましたよ。サイドカー(ショートカクテル/約30度)に始まり、I.W.ハーパーゴールドメダルのシングル・ロック(バーボンウイスキー/40度)、レモンハートデメララ151プルーフのシングル・ロック(ラム/75.5度)、ビーフィーターのダブル・ロック(ジン/40度)、おすすめで注文した名称不明テキーラをシングル・ロックで2杯……。
ほどよく酔いがまわったあたりでライブも終了。コーフン覚めやらぬ状態で、秋山氏を見つめていると、気をきかせたマスターが私たちを紹介してくれた。思い切って「夫がカメラマンで作品として職人を撮影している。伝統工芸だけでない、現代の職人としてぜひ撮らせてほしい」と頼むと、秋山氏は「いいねえ! 僕は自分を職人だと思いながら曲作りをしている。OK! 来月のライブでお会いしましょう」と快諾してくれた。
おいしいお酒にすてきな歌声……。なんていい夜なんだ。
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