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2006年6月の記事

歌舞伎町でさわやか飯

 昨夜はアニメ映画の試写会が当たったので、夫と娘は有楽町・よみうりホールへ。ひとり家に「残った」私は、冷蔵庫に「残って」いた明太子でパスタをつくり、これまた冷蔵庫に「残って」いた鶏の立田揚げ3個と枝豆で「残り物ごはん」を済ます(残さず食べた!)。

 実はもうひとつアニメ映画の試写会に当たっていて、来週娘を連れていく予定だ。「今日はオレが連れていくから、今度はオマエが行けよ〜」「夕方の回に映画を見て、終わったらオレも合流するから、3人で夕飯でも食べよう」と夫。場所は毎晩飲んだくれていた歌舞伎町……。会社の同僚に「歌舞伎町の女」「新宿ザル(飲んべえのザル、という意味)」と名付けられていた私が、親子で「新宿ごはん」ですよ、おい。

 ハタチそこそこの、夜遊び全開のころ……。まだ実家に住んでいた私は「警察24時」系のドキュメンタリー番組を見るたび、ドキドキしていた。両親と夕飯を食べながら、番組を見ていると、かならずといっていいほど歌舞伎町ネタが放映される。

「大久保公園横で倒れている女性がいるとの通報!」
「歌舞伎町のバーでケンカ発生!」
「痴情のもつれ! 流血カップル!」

 ナレーションが流れるたび、モザイクのかかった画面に目をこらす。ぶっ倒れているあの女、私じゃないよね……。着ているコートの色は……? あ、違うな。うわー、この店、この間行ったばかりだよ! ケンカで血まみれって……私じゃないよね。違うよな、うん……違う違う。ああ、ヨカッタ。

 そんな私が、今度は夫と娘を連れて新宿ごはん。なんてサワヤカなんだ〜! と、思ったのもつかの間。飲んだくれ女が「子連れで食事ができる店」を知るはずもなく……。思い出すのはオカマバーや渋めの居酒屋、バーばかり也。どうする? オレ。

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急募! FW……だそうです。

 クライアントの確認作業&返事待ちで原稿が90%仕上がりのporonです。残便感のような、なんだかスッキリしない状態で、ひと休み中。そんななか、2ちゃんねるの「ニュー速+」で発見したカキコに大笑い。いや〜、ぜひ応募者殺到、ということになってほしいですな。


*************【 急 募!! 】*************
仕事内容:FW(主にボールを枠内に入れるお仕事、軽作業です)
期間 :6月20日〜6月23日 
勤務地 :ドイツ
給与 :応 談 (結果に応じてボーナスあり)
採用条件:日本国籍を持っていて国内外プロ1部リーグ在籍者、
     または1部リーグに在籍経験のある人。
     シュートチャンスでパスを出さない方、チャパツでない、
     派手なスパイクをはかない方。 ガムをかまない方。
     味方選手のFKを邪魔しない方。
     年齢19〜33歳まで。
        
※一応サッカーなので、急にボールがくることもあります。

申込み先: 財団法人日本サッカー協会 (担当:中田(英))


 ちなみに最後の※印はFW柳沢選手のコメントに対するネタ。クロアチア戦で絶好のシュートチャンスをミスで逃した彼は「ぼくのシュートチャンスはあの一本だけだった。急にボールが来たので。 足の内側でければよかったが、外側でけってしまった」 とコメントしている。

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唸る、うなる、ウナル

 某ホテルのwebsiteで使うコピーライティングを執筆中。クライアントからの文体要望は「シック」「エレガント」「シンプリシティ」とのこと。うーん、どうしましょ。私のライフスタイルとはほど遠いキーワードに、ちょっと戸惑いつつも、数日間かけて資料やらソレ系の雑誌をむさぼり読み、アタマのなかをメーンターゲットである20代後半キャリア志向OLに近づける。

39歳、子持ちライター(28歳、ファッションブランドのプレス)
仕事でグッタリ、色気なし(仕事も恋も手にあまるほど)
ひとりになれるのはトイレだけ(贅沢なひとり旅を愉しむ)
山積みの資料を読みあさる(ベッドで一日中、読書)
近づく締め切り、死亡直前の私(何もしない贅沢、生まれかわる私)

 ここまで脳内変換できたらシメタもの。あとはコピーを書き連ねるだけだ。……と思ったら「ママ〜、お腹すいたよう」の声。ああああ! 現実に逆戻り。アタシのラグジュアリー(※)な回想を返してくれ〜。

 ※luxury/豪華、贅沢の意。いちおう三省堂の辞書にはラグジュアリーという読みで載っているけれど、本当の読み方はラクシャリーらしい。流行っているよねえ、ラグジュアリーってことば。

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保育園の魔女

 先日、保育園の懇談会に行ったときのこと。総勢20名ほどの保護者を前にし、先生は7月に予定している「お泊まり保育」についての話を始めた。お泊まり保育というのは、最年長クラスが毎年行っている行事で、自分たちで染めたTシャツを身につけ、園庭で夕飯を作り、夜の探検ごっこをして、ホールに泊まる……というものだ。子どもたちにとってはそれはそれは楽しみなイベント、のはずなのだが……。

「Hくんはねえ、どうもお泊まり保育がイヤみたいなのよう」

 担任の先生が口を開く。それを聞いたHくんのお母さんは「ええっ? 家ではイヤだなんていっていないんですけど」と答える。

先生「なんだか、お泊まり保育の話をし始めたころから、テンションがどんどん下がっていっちゃってね。そのうち、ボク泊まらないっていいだしたの」
H母「えーっ! ホントですか? うちの子、Sくんちとかしょっちゅう泊まっていて、お泊まりは全然、平気」
先生「あら、そうなの? だってね、なぜお泊まり保育はイヤなの? って聞いたら、お母さんが寂しがるからっていっていたわよ」
H母「え〜、そんなこといったことなんだけどなあ……」

 そのとき、ふたりのやりとりを黙って聞いていたAくんの母親がポツリといった。

A母「あのう……、うちの息子、先生は魔女で夜になると魔法を使うんだ。お泊まり保育のときに魔法をかけるかもしれないって怖がっていました。Hくんもそれが原因かも……」

 それを聞いて、保護者も先生も大爆笑。娘たちの担任は私たちの母親ぐらいの年齢で、「保育園の姑役」を自認する、やさしくも恐ろしいベテラン保育士だ。白髪まじりの髪は、ウェーブのかかったセミロング。そのモシャモシャ頭と怒ったときの怖さから、子どもたちに「魔女」と呼ばれている。先生もそれを楽しんでいて、日頃から「私は魔女なの。夜になると魔法を使うのよ〜」といっていたのだが、その弊害がまさかお泊まり保育に現れるとは……。Hくんの「お泊まり保育拒否」の原因に気づいた先生はアタマを抱えてうなだれていた。

 6歳の子どもたちにとって魔女は恐ろしい存在らしい。うーん、かわいい。7月のある夜、お泊まり保育に挑んだ子どもたちは、魔女に魔法をかけられて、グンと成長して帰ってくることだろう。

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2日で作る、梅シロップ

Dscn5021 さて、今年も梅仕事の季節がやってきた。毎年、梅シロップを作っているのだけれど、今年もあいかわらず「2日で作る手抜き方式」ですでに完成! ほとんどの人はものすごい高い梅を買ってきて、傷つけないように洗い、ひとつひとつの実に竹串で……という方法で作る。仕込んで1ヶ月以上待って、その挙げ句にカビを生やしたり、発酵してブクブク……なんてことが多いようなんだけれど、我が家では代々、手抜き方式でさっさと作り、6月初旬からジュースにして飲んでいる。(参考記事/山姥のその後

 今年もうちでは1キロ100円の傷ものを農家から10キロ購入し、2晩かけてガリガリゴリゴリ。10キロの梅と5キロの砂糖で500mlのペットボトル12本分のシロップができた。これからの方はぜひこの「手抜き方式」をお試しあれ。「傷つけるとにごっちゃうのよね」というけれど、売りもんじゃないし、カビを生やすよりもマシ。

※梅シロップで検索してきた方へ。竹串穴開け方式だとシロップが出来た後の梅をジャムにしたり、そのまま食べたりできますが、この「手抜き方式」は果汁を出し切りますので、シロップが完成したあとは捨ててください。とてもパサパサで食べられたもんじゃありません。

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友だちの罪

 たまに電話をかけてくると、挨拶もそこそこに「アニキいる?」と夫を呼び出す弟。そんな彼が珍しく「アタシあて」に電話をかけてきた。時刻は夜の11時すぎ。弟の声はとてつもなく暗い。

「あのさ……、アネキに頼みっていうか、協力を頼みたいんだけど」
「え? なに?」

(まさか金の工面じゃないだろうね。いやいや、コイツは甘ったれでシャキッとしない男だけれど、これまで1度も金の工面を頼んだことはない。じゃ、なんだ? 女のことか? あっ! もしかして痴漢で逮捕されちゃったとか……じゃないよねえ。うーん、なんだろう。なんだろう。なんだろう)

「実はさ……」
「うん」
「友だちがさ……」

(なーんだ、友だちの話か。ん? まさか友だちに金貸してやってくれ、とかじゃないよねえ)

「友だちがさ……。やっちゃったんだよね」
「やっちゃったって? 事故ったとか?」
「……いや、その……」
「だから何なのよ! どうしたっていうの?」
「その、あの……。人を……」
「ひいちゃったの?」
「殺しちゃったんだ……」

(いいいいい……いま、なんていった?)

「人をね、殺しちゃったんだよ」
「……」
「……」
「……で、逮捕されたの?」
「うん」
「……で、その人とオマエはどういう関係なの?」
「ずっと前からのネット仲間で、旅行に行ったり、連絡を取り合う仲」
「親しいの?」
「うん。ここのところ、いくら電話をしても繋がらなかったんだ。それで、実家に電話をかけたんだけど、親御さんが電話口に出て、実は……って話してくれたんだ」
「ふーん。そうなんだ」
「でも、でもさ。そいつ、人を殺めるような奴じゃないんだよ。だから信じられなくて」
「犯罪を犯した人なんて、ヤクザでもなけりゃ、みんな『まさかあの人が』っていうじゃん。人を殺すような人じゃなくても、殺しちゃったってことはあり得る」
「確かにそうだね。でも、本当に信じられなくて、ネットで検索したらネットニュースにも出ていた……。自供したって書いてあった」
「そっか。悲しいね。で、私に何をしてほしいの?」

 弟はただ、このことを話したくて電話をしてきたんじゃないと、わかっていたから、私はつとめて平静を装った。

「どうしてこんなことになったのか知りたいんだ」
「いま、お前にできることはないよ。警察に聞いたところで教えてくれるわけがないし、面会に行っても相手は会いたくないかもしれない。手紙だって出せば届くけれど、彼がそれを喜ぶかどうか……」
「逮捕の記事を書いた新聞社の記者に電話したらどうかな」
「よほどの大事件でもない限り、警察発表を載せただけで独自調査はしていないよ」
「そっか……。どうしてこんなことに……」
「逮捕された時期を考えると、もう起訴されて公判待ちだろうね。。逮捕されると、48時間以内に送検されて、その後、警察からこう留請求が出されて裁判所がそれを認めると、最大20日間こう留される」
「そうなんだ……」
「こう留中は警察の留置場に入れられ、起訴するための取り調べや証拠がためが行われるの。こう留中に自白したり、きちんとした証拠が揃い、公判で有罪に持っていけそうだと警察が判断すれば、そのまま起訴。そこからは留置場じゃなくて拘置所に入り、公判待ちね。公判で有罪になり、刑が確定すれば刑務所に収監される。オマエの友だちは、いまたぶん拘置所で公判待ちだと思うよ」
「公判待ちか……」
「なぜ、彼が殺人を犯したのか、本当に人を殺めたのかを知りたければ、公判を傍聴するしかないの。後は弁護士をつまかえて聞き出すとか」

 弟の気持ちはよくわかる。心配する気持ちと信じたくない気持ち、どうして ?という疑問……。私自身も20代のころに、中学時代の友人が逮捕され、拘置所にいる彼と、ひんぱんに手紙のやりとりをしていたことがある。「そんなことをするやつじゃないのになぜ?」「どうしてそんなことに」と思いつつ、はっきりと聞けぬまま、手紙をやりとりしていた。まさか、アイツが……って気持ちなんだよね。弟は。

 いま、弟ができることはほとんどない。友だちが人を殺したことはショックだろうが、理由は何であれ、罪は償わなければならない。

「オマエにとって大切な友だちであるならば、いまは親御さんに電話をかけて『僕ができることがあったらいってください』というだけでいい。罪を償って刑務所から出てくるのを待てるのなら、なにも急ぐ必要はないよ」

 人生は長い。弟にとって彼が本当の友だちなのか、ただの知り合いなのか。それはきっと何年も後になってからわかるはずだ。

「ところで、アネキ……」
「ん?」
「逮捕とかこう留とか、やたら詳しいね」
「……(苦笑)」

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