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保育園の魔女

 先日、保育園の懇談会に行ったときのこと。総勢20名ほどの保護者を前にし、先生は7月に予定している「お泊まり保育」についての話を始めた。お泊まり保育というのは、最年長クラスが毎年行っている行事で、自分たちで染めたTシャツを身につけ、園庭で夕飯を作り、夜の探検ごっこをして、ホールに泊まる……というものだ。子どもたちにとってはそれはそれは楽しみなイベント、のはずなのだが……。

「Hくんはねえ、どうもお泊まり保育がイヤみたいなのよう」

 担任の先生が口を開く。それを聞いたHくんのお母さんは「ええっ? 家ではイヤだなんていっていないんですけど」と答える。

先生「なんだか、お泊まり保育の話をし始めたころから、テンションがどんどん下がっていっちゃってね。そのうち、ボク泊まらないっていいだしたの」
H母「えーっ! ホントですか? うちの子、Sくんちとかしょっちゅう泊まっていて、お泊まりは全然、平気」
先生「あら、そうなの? だってね、なぜお泊まり保育はイヤなの? って聞いたら、お母さんが寂しがるからっていっていたわよ」
H母「え〜、そんなこといったことなんだけどなあ……」

 そのとき、ふたりのやりとりを黙って聞いていたAくんの母親がポツリといった。

A母「あのう……、うちの息子、先生は魔女で夜になると魔法を使うんだ。お泊まり保育のときに魔法をかけるかもしれないって怖がっていました。Hくんもそれが原因かも……」

 それを聞いて、保護者も先生も大爆笑。娘たちの担任は私たちの母親ぐらいの年齢で、「保育園の姑役」を自認する、やさしくも恐ろしいベテラン保育士だ。白髪まじりの髪は、ウェーブのかかったセミロング。そのモシャモシャ頭と怒ったときの怖さから、子どもたちに「魔女」と呼ばれている。先生もそれを楽しんでいて、日頃から「私は魔女なの。夜になると魔法を使うのよ〜」といっていたのだが、その弊害がまさかお泊まり保育に現れるとは……。Hくんの「お泊まり保育拒否」の原因に気づいた先生はアタマを抱えてうなだれていた。

 6歳の子どもたちにとって魔女は恐ろしい存在らしい。うーん、かわいい。7月のある夜、お泊まり保育に挑んだ子どもたちは、魔女に魔法をかけられて、グンと成長して帰ってくることだろう。

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コメント

お泊まり保育の恐怖、楽しみ也。
「保育園の姑役」さんが、幼児を恐怖に陥れる。(爆)
・・・続報を求む!

投稿: keichan | 2006.06.14 00:11

■keichanさん

すっかりごぶさたしていて、すみません〜。
お元気そうで何よりです。
続編のネタがまた舞い込みましたら、
すぐにお披露目しますね。それでは!

投稿: poron | 2006.06.20 00:23

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