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2006年10月の記事

手間をかけるということ

 半月ほど前、「Oさんからもらったの。半分わけてあげるわ」と、袋を下げた母が訪ねてきた。スーパーのビニール袋をのぞくと、何やらしなびた雑草が山ほど入っている。

「とにかく袋から半分ぐらいを、手づかみで出して。たらいに水を張ってね」

 母はしょっちゅう、農家の友人から野菜をもらってくる。今回は大根と白菜のおろ抜き(間引き菜)だ。しなびたそれは、どう見てもただの雑草だが、水につけて1時間もすると生き返ったようにシャキッとする。水を何度も変えながら泥を落とし、1把ずつ枯れた外葉をはずしていく。

 Oさんの畑は完全無農薬。ツルや木をしばるときでさえ、ビニールひもではなく、いずれ土に帰るわらのひもを使っている。だから、大根菜の根元には小バエの死骸がはさまり、白菜の葉にはモンシロチョウの卵が点々と産みつけられている。面倒くさいし、スーパーで買えばせいぜい200〜300円分。だけど、私はていねいに野菜を洗い、サッとゆでておいしく頂く。ゴミ同然のしおれた野菜も、手をかければ地元産・無農薬のおいしい素材になるからだ。

 昨日は岩手から段ボールいっぱいの山ぶどうが届いた。すべての果実を房からはずし、たらいでゴミや枯れ葉、ツルを洗い流す。途中、小さなクモが手のひらを歩いたり、何かの青虫が浮かんできたりして、泣きたくなりながらも洗う。何度も何度もよく洗う。……なにやってんだよ、私。もう夜中の2時じゃないか。

 ようやく、キレイになったら水を一滴も加えず鍋で煮る。1時間、コトコト煮込んだら、ザルとふきんで漉し、砂糖を煮とかす。午前4時、山ぶどうジュースの完成だ。山ぶどうジュースの原液は黒に近い紫色で、7〜8倍に希釈(水やサイダー)すると、それはそれは美しい紫色になる。すっぱくて甘くておいしいジュースは、手間をかけたぶん、よりおいしく感じるものだ。

最後は搾りかすから種だけを取り除き(気が遠のくような作業)、皮と100%ジュースと砂糖でジャムを作る。捨てたのは茎と種だけ。家族や友だちに飲ませたい、食べさせたいと思うからなせる技で、これが仕事だったら1日で廃業するだろう。

 手間をかけるということ……。それは娘のおいしい笑顔が見たいから。

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娘の成長

_dsc0365トチ狂った母親がBlogで「ミニマン○」などと連発しているスキにも、娘は着々と成長している。たいてい、娘の成長うんぬんというと「忙しい生活に追われ、ちっとも気づかなかったけれど、○○ちゃんったら……。いつの間に、こんなにシッカリしちゃって(ひとすじの涙)」みたいなのがほとんどだけれど、我が家の場合は違う。

 それはある日のことだった。保育園から帰るなり、娘が何やら大事そうに抱えて私のもとへ駆け寄ってきた。

「ママ〜、コレ!」

 満面の笑顔で渡されたのは2リットルのペットボトルで作った簡易虫かご。なかには雑草とともに、1匹のハサミムシと、何やら見たことのない薄気味悪い虫が1匹。なにこれ。

「虫だよ! 保育園のお庭でつかまえた! 飼いたい!」
 (いや、ハサミムシとかってさあ、肉食だし。かわいくないし)

「ねえ。ちょっとだけ見たら、草むらに放してあげようよ(……といってみる)」
「そうだね〜。虫さんのお母さんが探しているかもしれないもんね」
「そ、そうそう。きっとお母さん、泣きながら探しているよ(泣きたいのはこっちだよ……)」

 娘を納得させて、虫を草むらに放し、ホッとしたのもつかの間……。

「ママ〜、コレ!」

 翌日、娘はまたペットボトルを抱えてやってきた。なにこれ。今度はなによ?

「バッタ! これ、飼いたい!」

 今度は大量のオンブバッタ……。総勢15匹はいる。

「いや、これはさあ。草食だし。ピョンコピョンコはねまわるし……」
「イヤ! 飼う!」
「バッタのお母さんが泣きながら探していると思うんだけどなあ」
「飼う!」
「バッタなんて飼う人いないよ(すかさずネット検索……)」
「あった! バッタの飼い方!」
「ホントだ……(飼ってんじゃねーよ、まったく)」
「エサは……、葉っぱだって! リンゴも食べるって! 飼えるね!」
「飼える……みたいだねえ」
「飼う!」

 根負け。ええ、ええ。飼いましたとも、オンブバッタ。空いている虫ケースに入れて。どうせ、秋も深まってきたし、すぐに死んじゃうよ。……などと侮っていたのが間違いだった。2日もしないうちに卵、産んでるし。

「ママ〜、コレ!」

 翌日も、娘は笑顔で帰宅した。またバッタ? もう、いっぱいだから、いらないよ。え? 今度はトノサマバッタだって? ま、一緒に虫ケースにつっこんどけ。あれ? なんかもう1匹いるけど。なにこれ。

「トカゲ! これもつかまえたんだよ! 飼う!」

 ひええ〜、もうやめて〜。母の知らぬ間に娘は着々と成長している。そんなことを思い知らされた秋のある日。

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あかん、もうねむい

夜の飲み会にて。「ミニマンコが見たい」という申し出にご開帳を決意。拍手喝采でよろこばれる。「想像以上の割れっぷりに感動した」といわれ、上機嫌の私。自らのアホさかげんに気づく朝4時、いやあ、ミニマンコ、もっこりといい感じ。とにかく寝よう。言い訳は後だ。

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貴様ら、立て〜!

 好天に恵まれながらも突風がビュービュー吹いていたここ数日。何がイヤってもう、自転車の転倒率がグンとはね上がることだ。最近の自転車はどうして片足スタンドなんだ。かっこよさを追求してんのか? 材料費削減か?

 マンションの駐輪場に置いてある自転車も例外ではなく、約半数が片足スタンド。アイツらは自分で「自立している」と思っているらしいが、とんでもない。たいていは、隣の自転車にさりげなく寄りかかり、ちょっと触れただけでガタリと倒れる。ひどいときは、片足スタンドを中心に弧を描きやがって。オマエはコンパスか? ○描いてんじゃねーよ!

「風が吹けば桶屋が儲かる」じゃないが、風が吹けば片足自転車が倒れ、その雪崩に巻き込まれて私の自転車もひっくり返る。自分の自転車を出すためには、連なる片足自転車の山を片付けなければならない。コイツらがまた、あっちこっち出っ張っていて、スポークやカゴに引っかかる。勘弁しろよ。

 ようやくからまった自転車を解きほぐし、自分の自転車を出せる。ようやく出かけられる……と思ったのもつかの間。隣の片足スタンドにちょっと触れたとたん、今度は反対側に倒れやがった! ガガガガガチャン! あ〜あ、また雪崩だよ。もう、頼むよ。いい加減にしろって。貴様ら、きちんと自立しろ〜!

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ミニマンコ

「割れ目から、おツユがあふれてきちゃう〜!」

 どこかのスパムメールじゃないが「何を唐突に……」とお思いのことだろう。しかし、ここ数日の私にとっては「割れ目からおツユ」はあながち間違いとはいえない。前回の記事にも少しだけ書いたが先月19日、皮膚科で粉瘤(腫瘍)の手術を受け、29日に抜糸、その後はテープ固定を続けていた。

 テープ固定というのはガーゼなどはあてず、傷口に直接、テープを貼る療法。抜糸後の傷が開きにくく、治りもきれいなので美容整形や形成外科でも多く行われている。私の場合も、手術したのがヒジで動きが激しい場所であることから、抜糸直後からテープ固定をしていたのだが、何日たってもチクチクした痛みが治まらず、また日に日に浸出液の量が増えていく。「治ってきているのか」「悪化しているのか」の判断がつかず、連休初日の昨日(土曜)に皮膚科へ駆け込んだ。

 テープをはがした先生はただひとこと「あ……。これ、開いちゃってるよね」とつぶやいた。首をねじってヒジの先端にある傷口を見てみると、ホントだ。開いているよ、パックリと……。 皮膚が左右にめくれ、中心部にはピンクの肉とひとすじの割れ目。まるで、ヒジの先に小さなアワビっていうか、ミニマン○がくっついているみたい。マン○ですよ、マン○。ヒジにミニマン○。

 先生は「テープ固定がダメだったみたいだねえ。じゃ、これを貼って様子をみよう」といい、デュオアクティブを出してきた。デュオアクティブというのは、浸出液を吸収し、傷を乾燥させないようにしながら治すための創傷被覆材で、一般用として売られているバンドエイド「キズパワーパッド」の医療用だ。

 適当な大きさに切ったデュオアクティブを、そっとミニマン○に貼ると、前貼りのできあがり〜! ベージュ色のそれは割れ目からあふれてくるおツユを、どんどん吸収している。前貼り、がんばれ。ミニマン○、治れ。

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