40すぎると日銭に困る
迷い猫を里親さんに託し、ホッとしたのもつかの間、先週から企業広報誌の取材と原稿書き、撮影済みデータの補正と整理、WEB制作会社との営業打ち合わせ、書籍の編集……と怒濤の日々が続いている。
ある日、渋谷の編集プロダクションで打ち合わせをしていると「最近、どんな仕事しているの?」とS子社長。「なんだか最近は広報誌とか販促誌とか、WEBでコピーライティングをしたりすることが多くて、雑誌からはずいぶん遠ざかっちゃっていて……」と答えると、彼女は神妙な顔をして「そうなのよ〜、ホントそうよねえ。30代半ばあたりから、雑誌の仕事がグンと減るのよねえ」といった。
私よりいくつか年上の彼女は、業界でも顔が広く、雑誌からムック、書籍まで幅広く仕事をこなしている。そんな彼女でも「年を取ると雑誌の仕事が減る」と思っていることに、意外さを感じた。
「やっぱり、そうなんですか? 若いころは女性誌でいろいろとやっていたけれど、ここ数年は本当にお固い系がほとんど。社長インタビューとか、お医者さんや大学教授への取材とかが多いから、あまり若いライターさんじゃないほうがいいのかも」
私がそういうと彼女は「そうそう、書籍とかムックもそうなのよねえ。出版社はきちんと編集ができて、経験もあって……っていう人に依頼するんだけれど、書籍やムックってギャラが入るのが半年後とかだものね〜。日銭に困るわけよ」といった。
なるほど、確かにそうだ。ここ数年、1件あたりのギャラは高いものの、入金スパンは相当に開いている。また、広報誌や販促誌はクライアントチェックが厳しく、雑誌よりも手離れが悪い。つまり、毎月安定的に入ってくる収入がものすごく少ないわけだ。
「編集やライターだけじゃなく、スタイリストさんなんかもそうらしいよ。ムック丸ごと1冊とかの仕事ばかり増えて、入金は半年後、でも撮影に使った服や食器のレンタル代はすぐに支払わなきゃいけない。だから、本当に大変らしいよ」とS子社長。……あ、うちの夫と同じだ。入金されるときはドーンと来るが、経費の立て替えや支払いは毎月のことだ。
我が家はすでに夫婦そろって、雑誌よりも販促、広告系の仕事が多くなってきている。風が吹けば桶屋が儲かる……じゃないが、40すぎて日銭に困るのタイトル通り、安定収入の道を悩まなければならなくなってきたらしい。
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コメント
同感!!
投稿: へらコブラ | 2006.11.19 08:43
■へらコブラさん
すっかり亀レスですみません。最近は雑誌も元気がなく、廃刊も多いのでホントに困るのですが、不景気のせいにして支払いスパンを延ばす会社もあったりして、毎月末は地獄を見ています。
投稿: poron | 2006.12.14 03:15