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2006年12月の記事

薄らハゲ、オッケー?

 今年最後のblogが「カンチョーアサシン」じゃ、何なのでとりあえず更新(笑)。

26日に台湾南部沖で発生した大地震の影響で、ここ2日ほど通信社は大騒ぎになっている。何しろ、アジアの南北を結ぶ海底ケーブルが損傷し、アジア各国のインターネットが一時不通になっているからだ。

 今月21日から某大手ニュースサイトに配信する中国関連記事を書いている(先日はリライトと書いたが、もはやリライトの域を出ている)のだが、毎朝毎晩届くはずの翻訳原稿がここ数日、ちっとも届かない。

 翻訳原稿を送ってくる中国系通信社の社長は「ネットが繋がらないと、記事や写真をピックアップすらできない」と泣いているし、私の原稿をこと細かくチェックし、ダメ出しをする「中国系通信社のバックに控える、超大手通信社」も音沙汰なし。あの〜、私が送った原稿、ちゃんと届いてます?  疲れた勢いで「薄らハゲ」って書いた原稿が、そのままアップされているんですけど……。いいんでしょうか?

 ……。
 ……。
 ……。

「今年最後の記事が、いくらなんでもカンチョーアサシンじゃあ……」と思って更新したはずなのに、結果的には「薄らハゲ、オッケー?」。大晦日あたりに、さわやかなタイトルで今年最後を彩りたいと思う。

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カンチョーアサシン

某巨大掲示板(バレバレ)で、おもしろい記事を見つけたので、元ネタをご紹介。カンチョーアサシン……(笑)。流行語大賞にぜひノミネートをお願いしたい。

誤訳御免!: 俺の教え子達は変態だったよ。 外国人英語教師の苦悩

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仕事納めは……ない

 ここ数日、某大手ニュースサイトに配信する中国関連記事をリライトしている。知り合いのライターからの「もうダメ。頼むから手伝って」コールを受け、軽い気持ちで引き受けたのだが、これがもう大変だのなんのって。

 夜、中国の通信社から届く「翻訳済みの元原稿」を読み、正しい日本語に直し、早朝までに送る。……という、文章にするといたって簡単そうな仕事なのだが、この「翻訳済みの元原稿」っていうのがクセモノで、泣きそうになるほどひどい文が送られてくるのだ。

いちばん最初に、この元原稿を読んだとき、てっきり「翻訳ソフトを使っているんだろう」と思った。だって、ひどいんだよ、ホントに。たとえばこんな感じ。

「古い物を淘汰することをしているときに」
「この店ではひとつ世界最古の○○が注目されている」
「バスは転んで、1人死亡」

……バスは転んで(笑)。いや、意味はわかるんですけどね。それじゃあ、配信できないわけですよ。そんなわけで、意味がちゃんとわかるように「てにをは」を直したり、地名や人名をピンイン(中国語の音読み)でカナを振ったりしているのだ。

 後から翻訳ソフトじゃなく、ちゃんとした翻訳者が訳しているらしいことを知り、ますますorz……。もう、イヤ。年末年始は毎日毎晩、このリライトを続けなくてはならず、加えて雑誌の取材と原稿書きが年内で残っている。仕事納めはない、のである。

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生死にかかわるネタ

 先日、母が死ぬか生きるかと大騒ぎしている最中、10年来の知人から久しぶりにメール&電話。何事かと思ったら、イベントのプレス発表(12/5に開催済み)のお知らせと「ヘアメイクさんを紹介して〜」ということだった。憔悴しきっていた私だったが、「アダルトEXPO」という、精子(生死)にかかわるネタに思わず笑ってしまった。不覚。

ADULT TREASURE EXPO 2007/アダルトトレジャーエキスポ2007

※プレス発表はすでに終了しています。
Press_information

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正しい剃毛

 うちのblogで毎月、検索フレーズのトップを飾っているのが「市原憲克」もしくは「陰毛 白髪」。これはもう何カ月もの間、揺るぐことのないワン、ツーであり、今日みたいなタイトルをつけると、期待値100%で訪れる検索エンジン経由の方々をさらにガッカリさせてしまうのは明らか。あー、すいません。ここにはイッチーも陰毛もありません。頼むから「陰毛 白髪 イメージ」で検索してくるのはやめてください。話がズレてしまったが、今回は「正しい剃毛」について考えてみたいと思う。

 ……それは、唐突で何とも不思議な質問だった。

 心室心拍で入院していた母は、CCUの病室で退屈していた。見舞いに来た私に「部屋を歩くことも、ひとりでトイレに行くのも許してくれないのよ」とグチをこぼす。

「仕方がないじゃない。頻脈の原因がわからないし、とにかく心電図がグチャグチャなんだもの。まるで地震計みたいなんだから。そんな状態で歩かせたら、いつ心臓が止まるかわからないし、仕方がないの。我慢して」

 そう諭す私の言葉に、母は「そんなに悪いの? こんなに元気なのに」としょげ返った。明日はいよいよカテーテル造影検査だ。この検査で心筋梗塞かどうか、心筋梗塞のせいで頻脈が起きているのかがわかる。治療するためには、まずは原因を特定しなければならない。ひとつひとつ検査を行ない、心室頻拍の原因と思われる項目を消去していく必要があるのだ。そうした意味で、造影検査でわかる部分はかなり大きい。

「○○さーん、明日の検査の準備をしましょうね」

 看護士さんが部屋に入ってきた。にこやかな笑顔で「どうします?」という。母は何のことかよくわからず「え? どうするって何を?」と聞きながら、私と看護士の顔を交互に見つめた。

「検査のためにね、下の毛を剃るんですよ」

 ここでようやく母と私は、剃毛のことだと気付いた。……しかし「どうします?」の意味はまだわからない。

「どうしますって何を?」

 再び母が聞くと、看護士さんは笑顔でこういった。

「私が剃りますか? それともご自分で剃りますか?」

 ……自分で? 母も私もポカーンとしたまま、返事もできず看護士さんを見つめる。

「え……、え? 自分で……?」
「ええ、○○さんならご自分で剃るっていうかと思って。よければ私が剃りますけど」
「ええっ? 自分で剃る人っているんですか?」
「いませんね」
「じゃ、どうして私が自分で剃るって思ったの?」
「何となく……(苦笑)」
「剃ったことなんか、ないわよう〜」
「じゃあ、私が剃りますね」

 剃毛の支度をするため、看護士さんは部屋を出ていった。母は何だか泣きそうな、困ったような顔をして私にこう聞いた。

「ねえ、自分で剃るときって、上から下に剃るの? それとも下から上かしら? 刃が横滑りしてシャーッって切れちゃったらどうするのかしらねえ」

 ……知るか、そんなこと。

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長い長い母の話

 ひさしぶりに更新をしようと思ったら、53時間ものメンテナンスが始まったばかり。ひたすら待った挙げ句、ニフティは「お知らせココログ」などという、笑うに笑えない結末を迎えた。何、書きたかったか忘れちゃうっつーの。

 母の件ではいろいろとご心配をいただき、ありがとうございました。結果としては命拾いをした……という状況です。

 11月21日の夜、動悸と足のむくみ、虚脱感を自覚。夏頃から動悸を感じていたが、いつもよりひどいので、翌22日に市の健康診断もかねて、近所の病院へ。心電図検査を行ったところ、記録不可となり、故障かと大騒ぎ。故障じゃないことに気付いた医師が大慌てで点滴を行う。しばらく安静にしていたところ、心電図が正常に戻ったので帰宅。翌日も病院へ行き、検査。異常なし。

11月24日朝、具合が悪くなり、病院へ。心電図検査を行い、「うちじゃ、手に追えない」と循環器専門の榊原記念病院を紹介され、タクシーで向かう。そのまま緊急入院。駆けつけた私が医師から受けた説明は「心室頻拍。1分間に200以上の脈拍が20分以上続く危険な不整脈です。いつ、心臓が止まってもおかしくありません。心停止になった場合、電気ショックで蘇生します」とのこと。本人は「えーっ、じっと寝ていないといけないのぉ?」というほど元気なのだが、ナースセンターでは途切れなくアラームが鳴り(母が着けているホルター心電図の警告音)、医師や看護士がバタバタと走りまわっていた。

 不整脈には大きくわけて2つあり、ひとつが心筋梗塞や心筋症などの心疾患から引き起こされたもの、そしてもうひとつは特に心疾患がないのに起きるものがある。原因を特定するにはさまざまな検査が必要で、母の場合もようやく点滴や投薬が効いてきた数日後からひとつひとつ検査を行い、考えられる原因をつぶしていった。

 心臓カテーテル検査では心筋梗塞の兆候はなかった。……となると、心筋症? ありとあらゆる検査を経て、入院10日以上たって、ようやく出た結論が「心筋梗塞でもなく、心筋症でもなかった。ただ、いまだに危険な不整脈が続いている。治療ができるか検査し、治療できるようならばアブレーションをする」というものだった。アブレーションとは、そけい部からカテーテルを挿入し、心臓の異常な部分を探し出し、電流で焼き切る治療法だ。20年ほど前から始まった治療法らしく、素人の私たちは「心臓の組織を電気で焼く!」とビックリ仰天。インフォームドコンセントの徹底……という時代のせいか、さんざん危険なリスクを説明され、そりゃあもう恐ろしいなんてもんじゃなかった。

 そして昨日。カテーテル室に入っていった母は、2時間ほどで戻ってきた。不整脈の原因となっている異常部分を見つけることができ、アブレーションが成功したのである。母の担当となって入院からずっと治療をしてくれていた20代の女性医師、アブレーションを担当した男性医師、いつもにこやかに母の世話をしてくれた看護士のみなさんには感謝してもしきれないほどだ。

 母のホルター心電図は入院中、ずっとアラームが鳴っていた。しょっちゅう、看護士さんや医師が部屋に飛び込んできて、母の様子を確認していた。担当の女性医師は、いつ止まるかわからない母の心臓のせいで、何日も家に帰らず、アラームが鳴るたびに駆けつけてくれていた。なぜか自覚症状も少なく、失神もなかった母は「これ以上、安静にできないもん」とふてくされたり、検査中に「センセ〜、こわい〜」と半泣きし、医師を困らせたりしていた。そんな母の心臓が、たった1度の治療で治ってしまうなんて……。

 現代医学に感心しつつも、大勢の人たちのおかげで救われた命だ。まだまだ長生きしてもらわなければ。今夜はようやく熟睡できる。心配してくれたみなさん、ありがとう。

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