長い夏休みが終わってホッと一息。0歳から保育園へ通っていた娘は、長期休暇の経験がない。たまにはよかろう、ということで夏休み期間中、学童を休み、思いっきり退屈な休みを過ごさせてみた。
……思いっきり退屈だろうと思いきや、これまた意外と忙しい。宿題、プール、自由研究、朝顔やカブトムシの世話、家の手伝い(これもしっかり宿題)、お祭り、旅行、帰省、お友だちの来訪。私は私で、娘の留守を狙って仕事をしたり、朝昼晩の食事のしたくとバッタバタ。なんだか、とってもせわしない夏休みだったように思う。
そんな夏休み中のある日。夫は撮影で留守、私と娘は家にいたときのことだ。電話のベルが鳴り、出てみると「○○新聞と申します。電話で参院選継続全国世論調査を行なっております。ご協力いただけますか?」と女性の声。「いいですよ」と答えると、電話口の女性は次々と質問と回答項目を挙げていった。
「あなたは安倍内閣を支持しますか?」
「しません」
「選挙区では、どの政党の候補者に投票しようと思っていますか?」
「まだ決めていません」
「比例代表区では……」
「まだ決めていません」
「参院選選挙の投票に行くかどうか、今の気持ちにいちばん近いものを選んでください」
「かならず行きます」
「今、どの政党を支持していますか」
「特にありません」
質問が終わり、電話を切ったとたん、横で聞いていた娘が血相を変えてこういった。
「ママ、どうしたの! 何があったの! 大丈夫?」
「選挙のことを聞かれただけだよ」
「えっ! パパは大丈夫なの?」
「……パパ? お仕事だけど?」
「パパが悪い人にユーカイされたんじゃないの?」
「……え? なんで?」
「だって、電話でママ、怖い顔で『いません、ありません』っていっていたから」
どうやら、私の返事だけを聞いていた娘は、こんな電話だと思ったらしい。
「警察には絶対に連絡するな」
「しません」
「パパを誘拐した。返してほしいか?」
「まだ決めていません」
「金をよこせば返してやる。どうだ、返してほしいか」
「まだ決めていません」
「金を持って来ないとぶっ殺すぞ!」
「かならず行きます」
「で、貯金はいくらあるんだ」
「特にありません」
……想像力ありすぎ。しかも、「返してほしいか」「また決めていません」って何だよ(笑)。
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