いんげんとにんげん
中国製の冷凍いんげんが巷を賑わしているが、我が家には水沢(岩手県奥州市)から届いたばかりの「いんげん」が山盛りになっている。母の友人が段ボールいっぱいに送ってくれたのだが、これらはすべて規格外品で、市場には出せないものだという。いんげんと同様に、今年の夏は段ボール何箱にもおよぶ規格外ピーマンが水沢から届き、お友だちにもおすそわけをして喜ばれた。
規格外の野菜は「ナンボでも持って、け(帰れ)。持って帰らねば捨てるしかねえのす」と、農家の方が地元の仲良しさんに分けてあげるのだが、収穫期ともなれば食べきれないほどの規格外品が出る。すると、水沢から母のところへ恐る恐る電話が来る。
「また、ピーマンなんだども、いらねえか?」
「また、いんげんなんだども、もういらねえべなあ」
いやいや、いるいる! なんぼでも食べるよ〜! そんなわけで、我が家も今年はずいぶんとおいしい野菜を頂くことができた。ゆうべも、いんげんを下ごしらえしながら、「もったいないよねえ、これ全部市場に出せないお野菜なんだって」と娘に話しかける。
やわらかくて、甘くて、とってもおいしいのに、曲がっていたり、細かったり、太かったり、傷があったりと、ほんの少しブサイクに仕上がってしまったゆえに、捨てられる運命をたどる野菜たち。ああ、なんてもったいない!
すると娘は、声をひそめてこういった。
「いんげんだけじゃないよ。人間だってそうだよ! ちょっとぐらい顔がヘンでも、心がよければいいんだよ! パパだってイケメンじゃないけど、優しいもの!」
いんげんとにんげん……。相通ずるものがあったなんて。


最近のコメント