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2009年3月の記事

還暦を過ぎても

 先週、洗面所でうっかり足をすべらせた父(実父)が、腰の圧迫骨折で入院。念のためにとアタマから腹までジックリと検査したところ、腹部に動脈瘤が見つかって、いつシャバに出られるかわからない状態に……。母は毎日、病院に通い、夜は静まり返った家でひとりご飯を食べている。

 夜は眠れているんだろうか。きっとご飯もモソモソと食べているんだろうな。娘としては、父も心配だが、母も心配。でも、私にできることは病院通いを交代したり、電話をマメにかけて様子をたずねるぐらいしかできない。

 昨夜もそうだ。家族みんなでWBC・1次ラウンドA組2回戦(韓国VS日本)を見ながら、「ああ、おかあさんはひとりで見ているのかな。きっと、さみしいよな〜」と考えていた。

 すると、ちょうど5回が始まったころ、母から1本の電話が……。

母「ねえねえ、WBC見てる?」

私「うん、見ているよ」

母「ちょっと! イチロー、カッコイイわよね〜」

私「そうだね。凛々しい」

母「んもう! サムライみたいな顔! なんであんなにクールなの!?」

私「うん……(ナニ、興奮してんだ?)」

母「ああいう人と結婚したかった! よね〜?(同意を求めている)」

私「う、う……ん」

母「アタシ、イチローと結婚したかった!」

私「あ、そう」

母「あんな人がさ、夜中に帰ってきて“飯!”っていったら、おにぎりでもお茶漬けでも何でも、すぐに作っちゃう! いそいそと作っちゃう!」

私「60すぎてナニいってんの(笑)」

母「イチロー! カッコいい! ……じゃあね(ガチャン!)」

 受話器を握りしめ、ぼう然とテレビを見つめる私……。隣で聞き耳を立てていた娘が「どうしたの?」とたずねる。

私「バーバね。イチローと結婚したいんだって!」

 娘はそれを聞いたとたん、ムッとした顔でこういった。

「ちょっと! ジージが腰の骨を折って入院しているのに、離婚するなんて! バーバはひどい! ジージがかわいそう!」

 ……あ、あのね。イチローにはお嫁さんもいるし。夢とか、現実とかあってね。べ、べつにバーバは本当にイチローと結婚したいわけじゃなくって……。あ、あの。その……。

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