商談はお見合いのごとし
フリーランス(個人事業主)の醍醐味といえば、仕事を選べること。こんなご時世なんだから、仕事を頂けるだけでありがたい……という気持ちもあるが、何でもいいわけじゃない。
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(初めて電話をしてきた依頼人A)
「あの〜、有限会社○○の○○ですけど。撮影を頼みたいんだけど」
「ありがとうございます。あいにくカメラマンの●●は撮影で外出しております。本日は携帯が繋がりにくい環境のため、連絡が取れ次第、お電話をさせていただく形になります。たぶん夕方以降になってしまうため、よろしければ撮影内容やお日にちなどを承りますが……」
「え? 仕事の話だよ、仕事の話」
「はい。わたくし、スタジオ●●の●●と申します。●●とは夫婦で一緒に仕事をしていますので、ご依頼のお話やスケジュール確認などを承っております」
「仕事の話だよ、本人と話したほうが早いでしょう?」
「●●と連絡がつくのが、夕方以降になってしまいますが、よろしいですか?」
「あ、そう。別にオタクじゃなくてもいいんだよ」
「いかがなさいますか?」
「カメラマンなんて、他にもいくらでもいるんだよ!」
「そうですか。それではどうぞ他でご依頼ください」
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(初めて電話をしてきた依頼人B)
「株式会社○○の○○と申します。突然、お電話してすみません! 急ぎの案件で申し訳ないのですが、ぜひ撮影をお願いしたいと思いまして」
「ありがとうございます。あいにくカメラマンの●●は撮影で外出しております。わたくし、スタジオ●●の●●と申します。●●とは夫婦で一緒に仕事をしていますので、よろしければご依頼のお話やスケジュール確認などを承りますが……」
「実はこういう案件なんですけど、金額やスケジュールが合うかどうか……。こんな感じだとおいくらぐらいですか?」
「難易度や使用目的、お取り引きの状況などにもよるので、一概に金額が決まっているわけではないんです。いくらいくらでやってくれないかとお声掛けいただく場合もあり、お打ち合わせしながら金額を決めさせていただいているのですが……」
「急な話で申し訳ないのですが、一両日中にぜひお会いして詳しいお話がしたいのですが」
「かしこまりました。明日でしたら日中、お伺いできます。あさっては何時〜何時でしたら都合がつくきます。カメラマンの●●とわたくしの2名でお伺いさせていただきます」
「じゃあ、明日の1時にお願いします。どうぞよろしくお願いいたします」
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依頼人Bとはすぐさま顔を合わせ、そのまま商談を進め、撮影とコピーライティングの発注を頂いた。私も夫もわりとこだわりの強いタイプで、「一緒に仕事をしたい相手かどうか」を重要視している。
実際に会って「この人とぜひ仕事がしたい」と感じれば、赤字覚悟で仕事を引き受けることもあるし、クライアント自身も同じように考えている人だと、トントン拍子に話が進む。
このご時世、仕事を頂けるのはとってもありがたい。でも、「別にオタクじゃなくてもいいんだけど」などというような相手とは、どんなに札束を積まれてもこっちから願い下げだ。
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コメント
そうですよね。
Aの方の人はそうしてみずから首をしめていくのでしょう。
投稿: ムムリク | 2009.07.31 11:19
poronさ~ん、更新待ってました~!
うちは紹介がないと請けないのですが、たま~に有りますね、飛込みの電話。
で、気が付いたのですけど「他に頼めねぇから電話して来てんだろ」という事。
独立したてとか、トラブルを起こして相手にされないとかの輩が多いようです。
そのような奴等は付き合うと、仕事量も支払いも碌な事にならないので「一見さんお断りどすぇ~」とご丁寧に(←本当は「一昨日来やがれ」笑)
昨朝、テレビの横に置いて8年こき使ってたPCが他界しました。
マザボから煙が…
投稿: Cyber | 2009.08.01 10:53
Aさん・・・社会人としていいのだろうか。
たまーにいますけどね。
承りますと言っても本人としか話さないっていうタイプ。
こっちから願い下げさー!!
投稿: ちょび | 2009.08.06 01:23