〜キャッチコピー〜
これはある男と交わした通話内容の記録である。
〜プロローグ〜
まずは下記URLのページを見てほしい。これから書く記事が、先方にとって決して「リンクされてうれしい記事」ではないため、あえて直リンはしていないのでご了承を。
http://www.tanimoto-farm.com/shop/about_nankou_size.html
〜本文〜
「なぜ、こんな話になってしまったのだろう」
受話器を耳に当てながら、私はぼんやりと考えた。そもそも、梅の話をしていたはず。毎年、1キロ100円で青梅を販売している農家を訪ねたところ、今年は不作でほとんど採れなかったといわれた。ならば、どこかで格安品を探すしかない。ネットショップやオークションをチェックしつつ、安いところがあれば「ある男」と共同購入しようと思っていたのだ。
オークションで手頃な青梅を見つけ、「ある男」にメールを送る。おおまかなサイズを知らせたくて、まったく関係のないサイトの、あるページをリンクした。
「今、メールしたんだけど、ちょっと見て。オークションのこれ、手頃でいいんじゃない? サイズはリンクしてあるページに説明があるから参考にして」
電話をかけると、「ある男」はすぐメールを開き、オークションページとリンク先を確認した。
男「Mサイズか、いいんじゃない? どうせシロップと梅酒だし」
私「Lサイズだと最高なんだけどね」
男「うーん」
私「毎年、買っているのってLと2Lの混合だよね」
男「……」
私「どうした? 何か気になる?」
男「……この丸い形、なんかさ、コンドームのサイズ表みたい」
私「は?」
男「コンドームの大きさぐらいでしょ?」
私「梅ですが何か?」
男「どうしてもコンドームに見える」
私「どうやって測るわけ? 勃起させてモニタに押し当てるの?」
男「わははは! 変態だな」
話の流れはあっという間に変わっていった。最初は梅の話だったのに……。
私「でもさぁ、意外とみんな、自分のチンサイズを知りたいかも」
男「モニタに押し付けて測るのは、危険すぎる」
私「じゃ、どうやって測るのがいいかな」
男「指輪のサイズを測るプレートみたいなのがあるでしょ。あれがいい!」
私「リングサイズゲージならぬチンサイズゲージ!」
男「わははは! いい! いいねえ!」
私「穴に入れて測ってください。本品は使い捨てです、って書いてある」
男「わははは! 再利用不可!」
そして、話は途方もない方向へ……。
私「そんなのより、あれがいいよ。チンちぇき」
男「え? チンちぇき?」
私「顔ちぇきって流行っているじゃない。あれのチンコ版」
男「顔ちぇきって?」
私「顔写真を送ると、画像認識技術で有名人の誰に似ているか判定してくれる携帯コンテンツ」
男「へえ。それのチンコ版?」
私「そうそう。最大膨張時のチンコ写真を送ると、判定してくれる。開発したら流行るよきっと」
男「あなたのチンコはチョコボール向井60%、加藤鷹40%とか!」
私「いいねえ! 開発すっか!」
男「儲かるかも〜」
〜エピローグ〜
「こんなはずじゃなかったのに……」
電話を切ったとたん、私は軽い疲労感に襲われた。梅の話をしたつもりが、結局は何も決まらぬまま「ちんチェキ」の話だけで終わってしまったのだ。こうして、私はいまだネットオークションをさまよいながら、安い梅を探している……。(おわり)
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